コスタ・リカ

基礎データ
英語名称:  Republic of Costa Rica
首  都: サン・ホセ(San Jose)
面  積: 5.1万km2
人  口: 330万人(人口増加率2.5%)
言  語: スペイン語
民  族: スペイン系白人混血(95%)、黒人(3%)、インディオその他(2%)
宗  教: カトリック
略史:1502年コロンブスにより発見され、1821年にはグァテマラと共に独立宣言。1823年に結成された中米欧州連合より1838年に分離独立した後、1848年に完全独立。
政 体: 立憲共和制
元 首: ホセ・マリア・フィゲーレス・オルセン(Jose Maria Figueres Orsen、大統領)
大統領: ホセ・マリア・フィゲーレス・オルセン(Jose Maria Figueres Orsen)
外 相: フェルナンド・ナランホ・ビジャロボス(Fernando Naranjo Villalobos)
軍事力: 憲法により常設軍は不保持。国家警備隊及び地方警備隊7,700人。96年予算2,600万ドル
G N P: 78.6億ドル[一人当たり2,380ドル]
経済成長率: 3.5%(1995年)、 3.5%(1994年)、6.0%(1993年)
物価上昇率: 18.0%(1995年)、13.5%(1994年)、9.8%(1993年)
失 業 率: 5.2%(1995年)、 4.2%(1994年)、4.1%(1993年)
通   貨: コロン(1ドル=218コスタ・リカ・コロン)
対日輸入: 108百万ドル・自動車、電気機器、鉄鋼等
対日輸出: 35百万ドル・コーヒー、ココア、植物性原材料等
我が国の政府開発援助: ▲11.53百万ドル(15位)
    無償資金協力:   0.54百万ドル
      技術協力:  11.41百万ドル
     政府貸付等: ▲23.48百万ドル
日本からの直接投資: 1,500万ドル
在 留 邦 人 数: 372名

 96年のフィゲーレス政権の課題は、95年に引き続き、財政赤字の削減と長引く景気低迷からの脱却であったが、成果は上がらず、96年の財政赤字は、当初のIMFとの合意目標であったGDPの0.5%を大幅に上回る4.5%程度に、また、96年の経済成長率は、-1%程度になる見通しである。7月、フィゲーレス大統領は、内閣改造を行い政府の刷新を図ったが、その後、国営金融機関の不正融資疑惑、民間航空局の不正疑惑、現職大臣の汚職疑惑による辞任などが相次いで発覚し、逆に、政府に対する不信感が高まった。また、増加の一途をたどる国内債務(96年末の累積額7,750億コロン)に対する危機感が高まる中、11月、大統領経験者及び超党派国内債務委員会は、それぞれ、国内債務軽減のための提言書及び報告書を政府に提出した。これを受け、政府は、12月、一部の国営企業の売却、販売税率15%の断続、海岸の売却、不要政府支出の削減等を骨子とする国内債務削減政策を発表したが、国会の承認を必要とするものが多く、97年は、与野党間で98年の大統領選をにらんだ駆け引き等が激化することは避けられないことから、その実施には様々な困難が予想される。経済面では、95年に比べ輸出額、インフレ率等の改善は見られたものの、依然、景気低迷が続き、国内経済は停滞した。
 対外関係については、伝統的な対米、対欧州重視、平和善隣、国連・米州機構中心の外交に大きな変化はない。96年は、G77の議長国として活躍したほか、97-98年の国連安保理事国に選出されたことが注目された。貿易の自由化については、従来の中米経済統合に加え、チリ、カリブ共同体(カリコム)等とも自由貿易交渉を始める姿勢を見せ始めているが、これらの早期実現については疑問視する向きも多い。
 日本との関係については、5月、フィゲーレス大統領が訪日し、8月には、橋本総理大臣が、歴代総理として初めてコスタ・リカを訪問するなど記念すべき1年であった。ODAについては、技術協力を中心に日本は最大の援助国になっている。