エル・サルヴァドル

基礎データ
英語名称:  Republic of ElSalvador
首  都: サン・サルヴァドル(San Salvador)
面  積: 2.1万km2
人  口: 564万人(人口増加率1.9%)
言  語: スペイン語
民  族: スペイン系白人と原住民との混血(84%)、白人(10%)、インディオ(5.6%)
宗  教: カトリック
略史:1525年スペイン人征服者がサン・サルヴァドル市を建設し、その後グァテマラ総督領に編入。1821年の独立宣言を経て1823年中米欧州連合結成。1841年には同連合より分離独立。
政 体: 立憲共和制
元 首: アルマンド・カルデロン・ソル(Almando Caldero´n Sol、大統領)
大統領: アルマンド・カルデロン・ソル(Almando Caldero´n Sol)
外 相: ラモン・ゴンザレス・ヒネル(Ramo´n Gonza´lez Giner)
軍事力: 総兵力28,380人(陸25,700、海1,100、空1,600)96年予算7,500万ドル
G N P: 83.7億ドル(1994年)[一人当たり1,480ドル]
経済成長率: 6.3%(1995年)、 6.2%(1994年)、 7.4%(1993年)
物価上昇率: 10.1%(1995年)、10.6%(1994年)、18.5%(1993年)
失 業 率: 7.7%(1995年)、 7.7%(1994年)、 9.9%(1993年)
通   貨: コロン(1ドル=8.76エル・サルヴァドル・コロン)
対日輸入: 146百万ドル・自動車、工業製品等
対日輸出: 15百万ドル・コーヒー、繊維原料及び製品等
我が国の政府開発援助: 48.78百万ドル(2位)
    無償資金協力: 26.28百万ドル
      技術協力: 4.14百万ドル
     政府貸付等: 18.35百万ドル
日本からの直接投資: 26万ドル(1991年)
在 留 邦 人 数: 91名

 カルデロン大統領が就任時に公約した和平合意の完全履行については、5月に、国連側検証が、従来のMINUSAL(和平合意完遂のための国連ミッション)からONUV(和平合意完遂検証のための国連ミッション)へ縮小・改組された。ONUVは96年末に実質的な任務を終了したが、元戦闘員への土地分譲など残された課題については、今後、国連ミッションが四半期ごとに検証のために定期訪問することとなっている。
 政府は、和平合意の完全履行への取組と並行して、電話公社の民営化など、前政権時代の市場経済化政策を更に推進している。また、5割以上と言われる失業率に顕著な改善が示されない中で、増大傾向にある軽度の犯罪に対処するための治安の確保並びに司法制度の整備・強化の必要性が叫ばれている。このため、政府は3月に、2年間の特別時限立法をもって罰則の強化や刑事訴訟手続きの迅速化などの対策を決定した。消費の回復を主流とした高度復興成長は95年(成長率6.3%)をもってほぼ終息し、96年は成長率3%(及びインフレは過去20年来最低水準の7.4%)への抑制成長期に移行した。その一方、約100万人以上とされる在米エル・サルヴァドル人の外貨送金(約10億ドル)が貿易収支赤字幅を補填する経済構造基盤の不安定さに変化はない。政府は、6月以降、公共事業の追加と融資枠拡大を柱とする民間部門の景気浮揚措置を講じ、97年3月の国会・地方選挙に臨む構えを示している。
 対外関係では、対等のアクセスの確保を求めたNAFTAとの交渉に進展が見られない中で、中米経済統合と地域間協力を軸とした、中南米、欧米、アジアとの積極的な関係重視の姿勢が見られた。
 日本との間では、7月の日本・中米「対話と協力」フォーラム第2回会合に際してのゴンサレス外務大臣の訪日、8月のコスタリカにおける橋本総理大臣と中米諸国代表間会合におけるハインズ大蔵大臣の出席が特筆される。また、エル・サルヴァドルは、日米コモン・アジェンダの「市民社会と民主的統治の推進」分野の、第一号の支援対象国となった。