メキシコ

基礎データ
英語名称:  United Mexican States
首  都: メキシコ市(Mexico City)
面  積: 196.9万km2
人  口: 9,186万人(人口増加率2.2%)
言  語: スペイン語
民  族: 白人(15%)、白人とインディオの混血(60%)、インディオ(25%)
宗  教: カトリック
略史:1519年コルステ率いるスペイン人が侵入し、1521年アステカ帝国滅亡。1821年にスペインより独立し、1824年には共和国となる。米墨戦争により国土の半分を米国に割譲し、1910年のメキシコ革命を経て1917年に現行憲法公布される。
政 体: 立憲民主制による連邦共和国
元 首: エルネスト・セディージョ・ポンセ・デ・レオン(Emesto Zedillo Ponce de Leon、大統領)
大統領: エルネスト・セディージョ・ポンセ・デ・レオン(Emesto Zedillo Ponce de Leon)
外 相: ホセ・アンヘル・グリア・トレビーニョ(Jose Angel Gurria Torevino)
軍事力: 総兵力175,000人(陸130,000、海37,000、空8,000)96年予算30億ドル
G N P: 3,686.7億ドル、[一人当たり4,010ドル]
経済成長率: ▲6.9%(1995年)、3.5%(1994年)、0.6%(1993年)
物価上昇率: 35.0%(1995年)、7.1%(1994年)、9.8%(1993年)
失 業 率:  4.7%(1995年)
通   貨: ペソ(1ドル=7.87メキシコ・ヌエボ・ペソ)
対日輸入: 3,608百万ドル・工業品、金属機械等
対日輸出:  928百万ドル・原油、非石油関連製品等
我が国の政府開発援助: 288.29百万ドル(1位)
    無償資金協力:  0.52百万ドル
      技術協力: 41.44百万ドル
     政府貸付等: 246.33百万ドル
日本からの直接投資: 2億593万ドル
在 留 邦 人 数: 4,632名

 「与党制度的革命党(PRI)の事実上の一党独裁」と批判されることも多かったメキシコ内政ではあるが、近年、着実に政治改革が進んでおり、特にセディージョ現政権は与野党のコンセンサスを重視し、96年は選挙制度改革に大きな進展が見られた。改革への抵抗もあり、また残された改革課題も多いが、97年の国会議員選挙や初の民選となる連邦区(首都)知事の選挙は新たな制度の下で行われる予定であり、実質的な複数政党制に向けて緩やかに移行しつつある。チアパス州のゲリラ問題は、中断や再開を繰り返しながらも和平交渉が定着し、既に内政面の不安定要因ではなくなっている。なお、6月に現れた別のゲリラ組織は、チアパス州の場合と異なり、先住民を主体とするものではないと見られている。
 94年末の通貨危機を米国や国際金融機関の緊急支援で乗り切ったあとも、95年は大幅な経済のマイナス成長を余儀なくされた。しかし、96年の経済は回復基調に乗ったといえる。インフレの目標は達成できなかったものの、経済成長は当初目標を大きく上回り5.1%を達成した。通貨危機直前の経済水準を回復するにはまだ至っていないが、今後とも回復基調は継続するものと予想されている。
 経済が回復基調に乗った96年から、メキシコは活発な外交活動を展開し始めた。メキシコにとり最も重要なのは対米関係であるが、欧州、中南米、アジア諸国からも要人の来訪が相次ぎ、また、セディージョ大統領もこれらの地域を訪問するなど、メキシコ外交は経済危機克服の過程で活力を取り戻しつつある。
 日本との関係では、8月の橋本総理大臣のメキシコ訪問が特筆される。この訪問で、対中米・カリブ諸国への協力に日本とメキシコが協力するという南南協力の新機軸が打ち出された。両国関係は97年の移住百周年を契機にさらに進展することが期待される。