ホンデュラス

基礎データ
英語名称:  Republic of Honduras
首  都: テグシガルパ(Tegucigalpa)
面  積: 11.2万km2
人  口: 549万人(人口増加率3.0%)
言  語: スペイン語
民  族: スペイン系白人と原住民との混血(91%)、インディオ(6%)、黒人(2%),白人
宗  教: カトリック
略史:1502年コロンブスによる発見。1539年グァテマラ総督領に編入。1821年独立宣言の後、1824年中米欧州連合結成し1838年には同連合より分離独立した。2度のクーデターを経て民主政治が定着。
政 体: 立憲共和制
元 首: カルロス・ロベルト・レイナ(Carlos Roberto Reina、大統領)
大統領: カルロス・ロベルト・レイナ(Carlos Roberto Reina)
外 相: J.デメル・ウルビソ(J Delmer Urbizo)
軍事力: 総兵力18,800人(陸16,000、海1,000、空1,800)96年予算4,900万ドル
G N P: 31.6億ドル[一人当たり580ドル]
経済成長率: 4.5%(1995年)、▲1.5%(1994年)、 6.0%(1993年)
物価上昇率: 18.5%(1995年)、 22.5%(1994年)、10.7%(1993年)
失 業 率: 12.0%(1993年)
通   貨: レンピーラ(※1ドル=12.63レンピーラ)(11月)
対日輸入: 86百万ドル・車輌、工業製品等
対日輸出: 119百万ドル・コーヒー、海産物等
我が国の政府開発援助: 74.78百万ドル(1位)
    無償資金協力: 39.89百万ドル
      技術協力: 20.05百万ドル
     政府貸付等: 14.84百万ドル
日本からの直接投資: 138万ドル
在 留 邦 人 数: 259名

 3年目を迎えたレイナ政権は、徴兵制に代わる志願兵制の導入、軍の組織から分離した犯罪捜査局の創設に加え、警察の文民移管に関する憲法改正を実現する等、引き続き軍に対する文民統制の確立において成果をあげた。また、政府縮小のための行政改革法を成立させた他、刑法改正等による司法制度の強化を図り、各種の不正、腐敗についても厳しく調査、追求する姿勢を貫いている。また、次期大統領選の党公認候補を選出する自由、国民両党の党内選が初めて同時に実施され、それぞれフローレス現国会議長、ノラ・デ・メルガル女史を選出し、97年11月の投票日に向けて両候補間の選挙戦が激化していくと予想される。なお、特に後半になり、身代金目的の誘拐ないし爆弾事件が相次いで発生したところ、選挙の年に当たる97年には、治安の更なる悪化が危倶されている。
 経済面では、国内消費の伸びやバナナ等の輸出の伸びに支えられ実質3%台の成長を記録したほか、財政赤字についても対GDP約3%となる見通しであり、当初の政府目標をほぼ達成した。膨大な対外債務とその返済を抱え、また、厳しい金融引締め策をとっていることなどを考慮すれば、こうした実績は評価に値する。他方、貧困対策を始め社会政策の面で見るべき成果がみられないこと、また、インフレ率が基礎穀物や燃料等の大幅な値上がりもあり、前年並となる見込みであることについては、国民の不満は高い。
 対外政策の面では、95年に引き続き国連安保理非常任理事国を務め、特に10月には議長国としての重責を十分果たしたほか、中米諸国との関係を中心に着実な成果を挙げた。
 日本との関係では、日本・中米フォーラムの第2回会合が東京で開催されたこと、また、橋本総理大臣のコスタ・リカ訪問の際に、レイナ大統領も中米諸国首脳の一員として橋本総理大臣と会談したことが特記される。経済協力は引き続き順調に進展しており、96年も、日本はホンデュラスにとり第1位の援助国となる見通しである。