ブラジル

基礎データ
英語名称:  The Federative Republic of Brazil
首  都: ブラジリア(Brazilia)
面  積: 851.2万km2
人  口: 1億5,914万人(人口増加率1.8%)
言  語: ポルトガル語
民  族: 白人系55%、褐色系38%、黒人系6%、黄色系1%
宗  教: カトリック89%、プロテスタント6.6%、その他
略史:1500年、ポルトガル人カブラルによるブラジル発見。1822年、ポルトガルより独立。1889年、共和制樹立。1994年、カルドーゾ政権成立。
政 体: 大統領制
元 首: フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ(Fernando Henrique Cardoso、大統領)
大統領: フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ(Fernando Henrique Cardoso)
外 相: ルイス・フェリペ・パラメイラ・ランプレイア(Luiz Felipe Palmeira Lampreia)
軍事力: 総兵力29.5万人(陸19.5万、海5.0万、空5.0万)96年予算70億ドル
G N P: 5,363.1億ドル[一人当たり3,370ドル]
経済成長率:   4.2%(1995年)、  5.7%(1994年)、4.2%(1993年)
物価上昇率: 2,123.6%(1994年)、2,103.3%(1993年)
失 業 率: 6.2%(1993年)、6.5%(1992年)n.a.%(1991年)
通   貨: レアル(1ドル=1.04レアル)
対日輸入: 3,279百万ドル・機械機器、化学品、金属品等
対日輸出: 3,102百万ドル・鉄鉱石、金属品、鉄鋼、コーヒー等
我が国の政府開発援助: 100.49百万ドル(4位)
    無償資金協力: ------百万ドル
      技術協力: 66.96百万ドル
     政府貸付等: 33.53百万ドル
日本からの直接投資: 3億55万ドル
在 留 邦 人 数: 90,890名

 カルドーゾ政権は、94年に導入されたレアル・プランによりインフレの沈静化に成功し、これを評価する国民の高い支持を背景に、連立ながら比較的安定した政権を維持してきている。政府は、政治・経済両面に及ぶ国内構造改革をさらに長期にわたって進めるべく、大統領再選を認める憲法改正案を連邦議会に提出し、このため既に種々の勢力の抵抗に遭っている社会保障、行政、税制の3分野での重要な憲法改正案の審議がさらに遅れ、97年に持ち越されることになった。大統領再選案を含むこれら憲法改正案の早期成立は97年上半期の大きな政治課題である。
 経済面では、経済の安定化に加え対外開放政策も背景に、海外からの直接投資が大幅に増加し、また、一時停滞していた景気も96年後半に入り回復を示している。他方、憲法改正を伴う抜本的な財政改革が進まない中、財政赤字問題は依然として大きな課題であり、これに加え貿易収支赤字も目立つようになってきているが、これらは今後のブラジル経済の動向を左右しかねない要素として注視する必要がある。
 カルドーゾ゙大統領は、引き続き積極的な首脳外交を展開し、中南米地域内(特にメキシコ、アルゼンティン)のみならず、インド、仏、ポルトガル、アンゴラ、南アフリカ等を訪問、また、ペルー、エクアドル、ヴェネズエラ等域内各国から大統領が来訪した他、コール首相、金泳三大統領、李鵬総理等がいずれも多くの官民経済関係者を同行し訪れた。97年5月にはクリントン大統領の訪問が予定されている。
 日本との関係については、3月、日本ブラジル修好通商航海条約締結百周年を締めくくるべく、カルドーゾ大統領がブラジル大統領としては12年振りに国賓として来日した。さらに、97年には天皇皇后両陛下の公式訪問が検討されている。また、8月には、日本の総理大臣としては14年振りに、橋本総理大臣が訪問した。このように二国間関係強化のモメンタムが高まる中、政治・経済両分野での高級事務レベル政策対話も行われた。他方、ブラジルの自動車産業政策を国際貿易体制に即したものにするよう、引き続きWTOとの一貫性が求められている。