パラグァイ

基礎データ
英語名称:  The Republic of Paraguay
首  都: アスンシオン(Asuncion)
面  積: 40.7万km2
人  口: 483万人(人口増加率3.0%)
言  語: スペイン語
民  族: 混血(97%)、白人系(2%)、その他(1%)
宗  教: カトリック
略史:1811年、スペインから独立。1954年にストロエスネル将軍がクーデターにより政権掌握後、35年間にわたり独裁政権。1989年、再びクーデターによりロドリゲス将軍が政権掌握。1993年、ワスモシ大統領が就任し、39年ぶりに文民政権発足。
政 体: 立憲共和制
元 首: フアン・カルロス・ワスモシ(Juan Carlos Wasmosy、大統領)
大統領: フアン・カルロス・ワスモシ(Juan Carlos Wasmosy)
外 相: ルベン・ダリオ・メルガレホ・ランソニー(Rube´n Dario Melgarejo Lanzoni)
軍事力: 総兵力20,200人(陸14,900、海3,600、空1,700)96年予算1.1億ドル
G N P: 76.1億ドル[一人当たり1,570ドル]
経済成長率: 4.2%(1995年)、 3.1%(1994年)、 4.1%(1993年)
物価上昇率: 13.4%(1995年)、20.6%(1994年)、18.3%(1993年)
失 業 率: 4.4%(1994年)、 5.1%(1993年)、 5.3%(1992年)
通   貨: グァラニ(1ドル=2,130グァラニ)
対日輸入: 206百万ドル・自動車、機械等
対日輸出: 34百万ドル・食用油、桐油、木材等
我が国の政府開発援助: 77.60百万ドル(1位)
    無償資金協力: 16.20百万ドル
      技術協力: 33.84百万ドル
     政府貸付等: 27.56百万ドル
日本からの直接投資: 34.3万ドル(1989年)
在 留 邦 人 数: 4,119名

 4月、ワスモシ大統領はオビエド将軍を陸軍司令官から解任し、これに抵抗した同将軍がクーデターを画策しているとの噂が流れ騒然としたが、ワスモシ大統領は、国内世論、メルコスール(南米共同市場)及び米州機構の中南米諸国を始めとする国際社会の支持を得て、政権発足以来最大の危機を乗り切った。同事件の後、大統領はオビエド派軍人の大幅な人事異動及び退役を行い、民主政権にとり最大の脅威であった軍の実権を握り、民主化を強化しつつある。また、この事件を巡り、メルコスール諸国が経済面のみならず、政治面においても南米の民主主義擁護のために大きな役割を果たし得ることを示した。11月には統一市長・市会議員選挙が公正かつ平穏に行われ、アスンシオン市長には野党統一候補が選出されたが、全国レベルでは与党コロラド党が圧倒的な強さを見せた。
 経済面では、インフレを最近10年間で最低の8%台に抑えることが出来たが、政府が緊縮予算を執行したためにその反動として経済が縮小し、経済成長率も1.5%と近年では最低値となった。主要産業では、伝統的に最大の輸出品目である綿花の生産が著しく減少した一方、大豆が生産量の増加と国際価格の高騰に恵まれ、綿花の減収を補った。マクロ経済は比較的良好なパフォーマンスを見せたが、富の偏在、失業、低賃金、治安の悪化といった問題が顕在化しつつあり、こうした状況を反映し、3月には農民デモ、5月にはゼネストが行われた。
 対外関係では、米国から麻薬取り締まり非協力国に指定されたため、麻薬マネーロンダリング禁止法を国会で可決するなど関係改善に努めたほか、メルコスール諸国との関係強化に努めた。また、8月には1960年以後外交関係を断絶していたキューバと通商・領事関係を開設した。
 日本との関係では、日本人移住60周年記念諸行事が開催され、移住者のパラグアイ経済への貢献及び日本の援助に対するパラグアイ官民の高い評価を改めて確認し、引き続き伝統的な友好関係を維持している。