ニカラグァ

基礎データ
英語名称:  Republic of Nicaragua
首  都: マナグァ(Managua)
面  積: 12.9万km2
人  口: 428万人(人口増加率3.1%)
言  語: スペイン語
民  族: 白人(17%)、黒人(9%)、インディオとの混血(73.9%)、インディオ(0.1%)
宗  教: カトリック
略史:1502年コロンブスによる発見。1573年グァテマラ総督領に編入し、1821年独立宣言。1823年に中米欧州連合を結成した後1838年には完全独立達成。1936年以降のソモサ将軍政権を経て1990年現チャモロ大統領就任。
政 体: 共和制
元 首: ホセ・アルノルド・アレマン・ラカヨ(Jose´ Arnoldo Alema´n Lacayo、大統領)
大統領: ホセ・アルノルド・アレマン・ラカヨ(Jose´ Arnoldo Alema´n Lacayo)
外 相: エミリオ・アルバレス・モンタルバン(Emilio Alvarez Montalvan)
軍事力: 総兵力ε17,000人(陸15,000、海800、空1,200)96年予算3,200万ドル
G N P: 14.0億ドル(1995年)[一人当たり330ドル(1995年)]
経済成長率: 4.2%(1995年)、 3.3%(1994年)、▲0.2%(1993年)
物価上昇率: 11.2%(1995年)、 7.7%(1994年)、 20.4%(1993年)
失 業 率: 14.0%(1991年)、11.1%(1990年)、 8.4%(1989年)
通   貨: コルドバ・オロ(1ドル=8.67コルドバ・オロ)
対日輸入: 40百万ドル・輸送機械、一般機械、化学品等
対日輸出: 12百万ドル・綿花、コーヒー等
我が国の政府開発援助: 51.87百万ドル(2位)
    無償資金協力: 43.64百万ドル
      技術協力: 8.24百万ドル
     政府貸付等: -----百万ドル
日本からの直接投資: n.a.
在 留 邦 人 数: 146名

 チャモロ政権にとり最後の年となった96年の政局は、10月の総選挙を軸に推移した。選挙戦はアレマン候補(自由同盟)、オルテガ候補(FSLN)の左右両極がリードしたが、選挙は国内外の選挙監視団による監視の下行われ、重大な不正もなく終了し、アレマン候補の勝利が宣言された。(これを受け、97年1月10日、アレマン政権が発足した。)新政権の議会運営は、与党自由同盟が過半数議席を得られなかったため、中道諸政党との協力が鍵となる。なお、年初よりアレマン候補への襲撃事件など選挙をめぐる事件が発生したが、概ね治安は良好である。
 経済面では、チャモロ政権は内戦で破壊された経済の再建のため、経済安定化、構造調整政策、累積債務削減に重点を置く政策を構じた。こうした政策は奏効し、94年以降インフレ率は10-12%に抑制され、対外債務も対ロシア債務を中心に大幅に削減し、経済成長率も95年に4.2%、96年は5.5%(見込み)と順調に推移した。ただし、公務員削減、税制改革などの構造調整は進まず、IMFとの拡大構造調整融資(ESAF)は中断されたままとなった。
 対外政策面では、米国との間で懸案となっているFSLN政権時代の収用財産返還問題については目立った前進は見られなかったものの、対米関係は総じて良好に推移した。コロンビア、ホンデュラスとの国境問題、コスタリカへの不法移民問題等の懸案については、政権が末期を迎えていたために進展は見られなかった。
 日本との関係では、橋本総理大臣の中米諸国大統領との会談により、中米地域との関係は大幅に緊密化された。日本はニカラグアの主要援助国であり、経済援助に加えて96年は71.7万ドルの選挙支援及び選挙監視員の派遣など、民主化推進への支援を行った。年末には次期外相の訪日も実現し、今後も両国関係は良好に保たれる見通しである。