チリ

基礎データ
英語名称:  Republic of Chile
首  都: サンチアゴ(Santiago)
面  積: 75.6万km2
人  口: 1,404万人(人口増加率1.7%)
言  語: スペイン語
民  族: スペイン系(75%)、その他の欧州系(20%)、インディオ系(5%)
宗  教: カトリック
略史:1818年、スペインより事実上の独立。1970年、アジェンダ社会主義政権誕生。1973年、クーデターによりピノチェット軍事政権誕生。1988年にピノチェット大統領への不信任投票。1990年、エイルウィン政権成立。1994年、フレイ政権成立。
政 体: 立憲共和制
元 首: エドワルド・フレイ(Eduardo Frei、大統領)
大統領: エドワルド・フレイ(Eduardo Frei)
外 相: ホセ・ミゲル・インスルサ(Jose Miguel Insulza)
軍事力: 総兵力ε9.0万人(陸5.2万、海2.4万、空1.4万)96年予算20億ドル
G N P: 500.5億ドル[一人当たり3,560ドル]
経済成長率: 8.5%(1995年)、 4.2%(1994年)、 6.3%(1993年)
物価上昇率: 8.2%(1995年)、11.4%(1994年)、12.7%(1993年)
失 業 率: 4.7%(1995年)、 5.9%(1994年)、 4.5%(1993年)
通   貨: ペソ(1ドル=425チリ・ペソ)
対日輸入: 1,013百万ドル・自動車、電気・一般機械等
対日輸出: 2,906百万ドル・銅鉱、銅地金、魚介類、飼料等
我が国の政府開発援助: 62.75百万ドル(1位)
    無償資金協力: 13.79百万ドル
      技術協力: 24.28百万ドル
     政府貸付等: 24.69百万ドル
日本からの直接投資: 1億3,732万ドル
在 留 邦 人 数: 1,043名

 民主主義の発展と国民和解の達成を目指す憲法改正案は4月に上院において否決されたが、フレイ大統領は、5月の大統領教書において、憲法改正の努力を続けていく強い意思を表明しつつ、貧困の撲滅や社会の機会均等を達成するための最重要課題として教育の質の向上を強調した。また、炭鉱、教員、地方自治体、医療など公共部門におけるストの長期化が目立った。12月30日、テロ・グループ「ロドリゲス愛国戦線」4名の脱獄事件が発生し、テロ活動の再燃が懸念されている。
 経済面では、96年に入り主要輸出産品価格の下落による交易条件の悪化、金融引締め策の影響もあり、景気拡大テンポは大きく減速したが、設備投資は依然として高水準で推移しており、輸出も数量ベースでは堅調であることなどから、実質経済成長率は6%台前半に達する見込みである。貿易収支は11月末までの累計で約10億ドルの赤字に、経常収支もGDP比で3%程度の赤字に転じる見込みであるが、資本収支は、直接投資を中心に外国投資の流入が引き続き拡大していることから大幅な黒字となり、外貨準備高は年間輸入額を十分カバーする水準に達している。
 対外関係については、民政移管後一貫して多角的経済外交を展開しており、96年は中南米諸国との政経両面での関係強化に重点を置き、6月にメルコスール(南米共同市場)諸国との間に経済補完協定が締結されたほか、11月には、第6回イベロアメリカ・サミットが開催された。NAFTA加盟に関する進展は見られなかったが、11月には、カナダとの間に自由貿易協定が締結された。また、日本、韓国、中国首脳のチリ訪問にも見られるとおり、APEC諸国との積極的な外交を展開した。
 日本との関係については、96年は、7月の斎藤参議院議長及び小川外務政務次官に続き、8月には橋本総理大臣が日本の首相としては37年振りにチリを訪問した。チリからは、12月、ディエス上院議長を団長とする上院議員団が訪日した。97年の日チリ修好百周年を控え、両国において記念事業実行委員会が発足した。