ジャマイカ

基礎データ
英語名称:  Jamaica
首  都: キングストン(Kingston)
面  積: 1.1万km2
人  口: 250万人(人口増加率0.9%)
言  語: 英語
民  族: 黒人(75%)、黒人系混血(13%)、その他混血(10%)、インド人(1%)、白人
宗  教: プロテスタント
略史:1494年コロンブスにより発見される。1670年マドリッド条約により英国の植民地となり、1957年には英国自治領となる。1962年独立達成。
政 体: 立憲君主制
元 首: エリザベス2世(Queen Elizabeth II、英国女王、コモンウェルス首長及び信仰擁護者)
首 相: パーシヴァル・J・パターソン(P. J. Patterson)
外 相: シーモア・マリングス(Seymour Mullings)
軍事力: 総兵力3,320人(陸3,000、海ε150、空170)96年予算2,500万ドル
G N P: 35.5億ドル[一人当たり1,420ドル]
経済成長率: 0.5%(1995年)、 0.5%(1994年)、 1.0%(1993年)
物価上昇率: 19.9%(1995年)、35.1%(1994年)、22.1%(1993年)
失 業 率: 15.9%(1992年)、15.7%(1991年)、15.7%(1990年)
通   貨: ジャマイカ・ドル(1ドル=34.87ジャマイカ・ドル)
対日輸入: 137百万ドル・自動車、電気機器、一般機械等
対日輸出: 33百万ドル・コーヒー、ラム酒、カカオ豆等
我が国の政府開発援助: 8.03百万ドル(3位)
    無償資金協力: 0.46百万ドル
      技術協力: 3.51百万ドル
     政府貸付等: 4.06百万ドル
日本からの直接投資: 78万ドル(1993年)
在 留 邦 人 数: 123名

 62年の独立以来、人民国家党(PNP)、ジャマイカ労働党(JLP)の二大政党が民主的に政権を交代してきており、次回選挙においてPNPが初の三選を果たすことができるか否かが焦点となっている。パターソン首相率いるPNP政権は、96年に入りインフレ抑制、通貨レートの安定、外貨準備の増額等の点で成果を挙げてきているが、国内経済の抱える根本的な問題(投資・労働の低生産性、累積債務、貿易赤字、高失業率等)については効果的な対策を打ち出していない。野党JLPにおいては、セアガ党首(元首相)の指導力に批判的な国会議員の党籍離脱など内紛に揺れていたが、11月の党大会までにはこれら議員の一部も復帰し、党の結束を謳うに至った。
 96年の経済成長率は1%と低迷し、物価上昇率は15.8%に下落(95年は19.9%)したが、実質国民所得は引き続き低下した。また、自動車などの耐久消費財の輸入が一段落したこともあり、輸入増加率は低かったが、ボーキサイトや繊維加工製品などの主要品目の輸出が減少したため、貿易赤字は大幅に拡大した。7月の主要銀行の取り付け騒ぎが原因で金融不安が広がった。また、多くの繊維加工工場がメキシコに北米市場を奪われ、閉鎖を余儀なくされた。失業率は16%以上となる見込みで、所得格差はますます拡大している。
対外面では、カリブ共同体(カリコム)を軸としてカリブ近隣諸国との連携の強化に努めたほか、EUとはロメ協定に基づく特権関税や開発援助を通じて関係を深めた。米国との間では、麻薬取締り協力に関する協定交渉が続けられた。
 日本との間では、懸案であったキングストン首都圏上水道計画につき6月に交換公文を取り交わした。96年から開始された草の根無償供与につき6件の実施を決定し、教育、医療、社会福祉等の分野できめ細かい協力が可能となった。また、文化面では、日本の箏曲グループによる演奏会や人形展も開催された。