スリ・ランカ

基礎データ
英語名称:  Democratic Socialist Republic of Sri Lanka
首  都: スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ(Sri Jaywardenepura Kotte)
面  積: 6.6万km2
人  口: 1,813万人(人口増加率1.3%)
言  語: 公用語(シンハラ語、タミル語)、連結語(英語)
民  族: シンハラ人(74%),タミル人(18%)、スリ・ランカ・ムーア人(7%)
宗  教: 仏教、ヒンドゥ教、イスラム教、ローマン・カトリック教
略史:16世紀にポルトガル、17世紀にオランダの支配を受け、1802年以降英国植民地となった。1948年英より独立。当国が抱える最大の懸案事項は1983年の大騒擾事件を契機に悪化しているシンハラ・タミール民族問題。
政  体: 共和制
元  首: チャンドリカ・バンダラナイケ・クマーラトゥンガ(Chandrika Kumaratunga、大統領)
首  相: シリマウォ・バンダラナイケ(Sirimavo Bandaranaike)
外  相: ラクシュマン・カディルガマール(Lakshman Kadirgamar)
軍事力: 総兵力11-11.5万人(陸ε9-9.5万、海1.0万、空1.0万)96年予算7億ドル
G N P: 116.3億ドル[一人当たり640ドル]
経済成長率: 5.4%(1995年)、 5.6%(1994年)、 6.3%(1993年)
物価上昇率: 7.7%(1995年)、 8.4%(1994年)、11.7%(1993年)
失 業 率: 12.5%(1995年)、13.6%(1994年)、14.7%(1993年)
通   貨: スリ・ランカ・ルピー(1ドル=56.71ルピー)
対日輸入: 472百万ドル・輸送機器、一般機械、繊維製品等
対日輸出: 211百万ドル・貴石、紅茶、エビ、石油製品等
我が国の政府開発援助: 263.70百万ドル(1位)
    無償資金協力: 82.06百万ドル
      技術協力: 36.37百万ドル
     政府貸付等: 145.28百万ドル
日本からの直接投資: 5,925万ドル
在 留 邦 人 数: 855名

 11月に就任2周年を迎えたクマーラトゥンガ大統領は、シンハラ・タミル民族問題に抜本的解決をもたらすことを最大の政治課題としている。
具体的には、北・東部地域の分離独立を目指すタミル過激派(LTTE)に対しては、軍事攻勢を強め政府の支配地域を拡大するとともに、大幅な権限の地方への移譲を中心とする政治的解決の実現を目指している。今後とも、政府は、軍事、政治両方面よりLTTEに圧力をかけ続けると見られるが、今のところLTTEの態度には目立った変化はない。このような政府側の動きの中、1月には国立中央銀行の爆破等のテロ事件が発生した。
 経済面では、輸出等外需は96年も比較的堅調であり、国際収支は比較的安定しているものの、内戦の激化による軍事支出の急増、観光客の減少、旱魃による米等農作物の収穫減、降水量不足による電力不足などにより国内投資及び消費が低迷し、こうした内需不足が成長率の鈍化の大きな要因となった。
 対外面では、アジア、欧米諸国への大統領、閣僚等による訪問外交を積極的に展開した。これらの機会をとらえ、これまで国際社会の批判を招きがちであったスリランカの人権状況の改善、治安対策、民族問題の政治的解決の方針等につき国際社会の理解と支持の獲得に努めた。さらに、対テロ国際協力に関し積極的な呼びかけを行ったことが注目された。
 日本との関係については、5月にクマーラトゥンガ大統領が日本を公式訪問し、橋本総理との首脳会談で首脳同士の親交を深めるとともに、日本の経済関係者との会談では、直接投資を呼びかけるなど日本との関係強化に向け積極的姿勢を示した。両国は伝統的な友好関係を維持しており、経済協力については日本は最大の援助国であり、貿易高においても米国に次いで2位を占めている。かかる良好な関係を築き上げる上で重要な役割を果たしたジャヤワルダナ元大統領が11月に逝去し、国葬が執り行われ、日本より福田康夫衆議院議員が総理特使として参列した。