ヴィエトナム

基礎データ
英語名称:  The Socialist Republic of Viet Nam
首  都: ハノイ(Hanoi)
面  積: 33.2万km2
人  口: 7,250万人(人口増加率2.1%)
言  語: ヴィエトナム語
民  族: ヴィエトナム人(90%)及び約60の少数民族
宗  教: 仏教(80%)、カトリック、カオダイ教他
略史:千年を越える中国支配を経験。1883年仏の植民地化。1945年ヴィエトナム民主共和国成立。49年ヴィエトナム国(親仏)成立。54年ジュネーブ協定により南北分割。76年南北統一(社会主義共和国)。
政  体: 社会主義共和国
元  首: レ・ドゥック・アイン(Le Duc Anh、国家主席)
首  相: ヴォー・ヴァン・キエット(Vo Van Kiet、首相)
外  相: グエン・マイン・カム(Nguyen Manh Cam、外相)
軍事力: 総兵力ε57.2万人(陸50.0万、海ε4.2万、空1.5万)96予算10億ドル
G N P: 137.8億ドル[一人当たり190ドル]
経済成長率: 9.5%(1995年)、 8.8%(1994年)、8.1%(1993年)
物価上昇率: 12.8%(1995年)、14.5%(1994年)、5.2%(1993年)
失 業 率: 20.0%(1992年)
通   貨: ドン(1ドル=1,1000ドン(97年2月28日))
対日輸入: 1,014百万ドル・機械、繊維品、化学品等
対日輸出: 1,560百万ドル・石油、魚介類、繊維品等
我が国の政府開発援助: 170.19百万ドル(1位)
    無償資金協力: 98.66百万ドル
      技術協力: 45.70百万ドル
     政府貸付等: 25.83百万ドル
日本からの直接投資: 1億9,667万ドル
在 留 邦 人 数: 1,325名

 内政面では、共産党指導・社会主義体制の枠組みの中で、6月の第8回共産党大会において、対外開放化・経済自由化を目指した「ドイモイ(刷新)」路線の基本方針が継承された。同大会では最高首脳人事は先送りされ、当面体制の安定性・継続性が優先された。他方、「ドイモイ」路線の推進の過程において顕在化してきた各種の否定的現象(汚職、密輸、貧富の格差拡大、エイズ、麻薬、交通戦争など)が社会問題化しており、内政上の重要課題となっている。
 経済面では、対外開放化政策の下、2020年までの近代化・工業化達成という目標に向け、自由市場経済への移行が一層推し進められている。11月には国会で外国投資法が改正され、12月の支援国会合では総額約24億ドルの援助が提示された。また96年GDP成長率は9.5%となっている。しかしながら、96年は原料・基礎資材分野の輸入が増加傾向にあり、貿易赤字が前年度の22億ドルを大幅に上回り40億ドルに達したほか、外国直接投資についても、累計取消案件が258件(96年8月現在、全体比14%)に上るなど投資環境の厳しさが露呈してきていることから一時のブームが沈静化しているなど、マクロ面では先行きに注意を要する状況にある。
 対外関係では、95年のASEAN加盟以降、地域国家としての地歩を固めつつ、全方位外交の方針の下、対外関係の多角化・多様化、WTO、APECなどの各種国際フォーラムへの参加に向け積極的に取組んでいる。中国とは、国境・領土問題という未解決の懸案はあるものの、引き続き、党・政府・軍関係者の相互往来が図られ、6月には党大会出席のため李鵬首相がヴィエトナムを訪問した。
 日本との関係では、96年7月に池田外務大臣が日本の外務大臣としては5年ぶりにヴィエトナムを訪問し、日越関係の一層の強化が図られた。日本は引き続き、ヴィエトナムにとり最大の援助供与国かつ貿易相手国であり、日越関係は成熟した段階に達しつつある。