マレイシア

基礎データ
英語名称:  Malaysia
首  都: クアラ・ルンプール(Kuala Lumpur)
面  積: 33万km2
人  口: 1,950万人(人口増加率2.5%)
言  語: マレイ語、英語、中国語、タミール語他
民  族: マレイ系、中国系、インド系他
宗  教: イスラム教(国教)、仏教、儒教、ヒンドゥー教、キリスト教他
略史:15世紀初頭マラッカ王朝成立。16世紀から20世紀にかけ西欧勢力が進出。1942~45年日本の軍政。57年マラヤ連邦として独立。63年シンガポール、サバ、サラワクを加えマレイシア成立。65年シンガポールが分離独立。
政  体: 立憲君主制(13州と2連邦直轄区より成る連邦国家)
元  首: トゥアンク・ジャアファー(Tuanku Ja`afar、国王)
首  相: マハディール・モハマド(Mahathir Mohamad)
外  相: アブドラ・バダウィ(abdullah Badawi)
軍事力: 総兵力11.5万人(陸9.0万、海1.2万、空1.3万)96年予算24億ドル
G N P: 686.7億ドル[一人当たり3,520ドル]
経済成長率: 9.5%(1995年)、9.2%(1994年)、8.3%(1993年)
物価上昇率: 3.4%(1995年)、3.7%(1994年)、3.5%(1993年)
失 業 率: 2.8%(1995年)、2.9%(1994年)、3.0%(1993年)
通   貨: リンギ(1ドル=2.53リンギ)
対日輸入: 21,211百万ドル・電気機械、一般機械等
対日輸出: 9,416百万ドル・木材、LNG、電気機械等
我が国の政府開発援助:  64.83百万ドル(1位)
    無償資金協力:   1.46百万ドル
      技術協力:  84.68百万ドル
     政府貸付等: ▲21.30百万ドル
日本からの直接投資: 5億7,291万ドル
在 留 邦 人 数: 10,366名

 96年10月の与党統一マレイ国民組織(UMNO)の役員選挙で、マハディール総裁及びアンワール副総裁が無投票で再選された結果、99年の次回役員選挙まではマハディール首相が引き続き強力な指導力を発揮していくことが予想される。
 96年のマレイシア経済は、景気過熱対策導入により若干ペースは落ちるが、依然8.2%の高成長になる見込みであり、株式市場も活況を呈している。大型プロジェクト(新空港、新行政都市、KLシティ・センター等)が目白押しである中、熟練労働者不足が続いており、賃金上昇率は10%を超えている。また、外国投資と地場産業の連携の乏しさが認識されており、部品・中間財の生産に当たる裾野産業の育成の必要性が痛感されている。経常収支は、サービス産業の競争力不足もあって大幅赤字が続いている。こうした状況を踏まえ、政府は5月に発表した第7次マレイシア計画(96年~2000年)の中で、経済を「生産性牽引型」に転換する方法を打ち出しており、今後の具体的な実施が注目される。
 96年、マレイシアは引き続き多面的な外交を展開した。6月にはメコン川流域開発閣僚会合を主催し、また、ミャンマーのASEAN加盟をASEAN創設30周年である97年に実現する旨を提唱するなど、域内諸国との関係強化を引き続き追求しつつ、非同盟国やG15諸国との連携強化も図られた。この関連で、国際経済問題についてマレイシアが開発途上国の利益代表として発言する機会が目立った。また、マハディール首相は米国(5月)及び中国(8月)も訪問し、両国との関係強化にも努めた。さらに、7月には同首相がキルギス共和国及びカザフスタンを訪問し、中央アジア諸国との連携強化も図られた。
 日本との関係は、81年にマハディール首相が提唱した「東方政策」を受けて、特に経済面を中心に極めて良好に推移してきている。また、国際的な政治・安全保障問題に関する対話・協力や文化・教育交流の強化が両国間で図られつつある。