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(1) 外交実施体制の強化の必要性
現在の国際社会における外交の重要性はあらゆる分野でますます増大している。それに加えて日本の国際的地位の向上とともに、外務省の業務量は、近年、増加の一途をたどっており、例えば、外務省本省と在外公館を結ぶ主要な通信手段である電信の総数は、95年の時点で10年前(85年)に比較して約 2.4倍、経済協力額は約 3.8倍、条約その他の国際約束の締結数は約 1.5倍、査証発給数は約 1.2倍となっている。また、海外の在留邦人数、海外旅行者数の増加に伴う事務も増えており、この状況に適切に対処する必要がある。 (2) 機構・定員、予算面での努力
このような認識の下に、外務省は、96年度に機構・定員、予算の面で外交実施体制の強化に向けて次のような努力を行った。 |
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(1) 日本人の海外渡航と邦人保護
95年の海外渡航者数は、前年比12.7%増の史上最高1,530万人を記録した(観光白書)。また95年10月1日現在、海外に3ヶ月以上滞在の長期滞在者は前年比7.5%増加の460,522人、さらに永住者は前年比2.4%増加の267,746人となり、海外在留邦人総数は前年比5.6%増の728,268人に達し、過去最高となった(海外在留邦人数調査統計、平成8年)。 (2) 旅券法改正-10年間有効な旅券の発行状況など 規制緩和の一環として、95年11月1日から施行された改正旅券法により導入された10年間有効な一般旅券は、20歳以上の申請者から広く歓迎され、発行後、96年12月までの平均でみると、申請者の約7割が、また発行を開始した直後の95年11月には約8割が、10年間有効な旅券を申請している。また、海外渡航者の増大に伴い、一般旅券発給数も大きく増大しており、96年(暦年)には国内で6,236,438冊(95年は5,825,404冊)発行された。 (3) 海外日系社会への対応 戦後間もなく活発に行われた中南米移住は、今やほとんど見られなくなったが、移住者及びその子孫である日系人により形成される中南米の日系社会は現在約150万人に達すると推定されている。今日、日系社会では二世・三世がその中核を構成するに至っているが、これらの日系人は、居住国の各界で活躍して各国の発展に貢献するとともに、日本とのかけ橋として貴重な役割を果たしており、こうした日系人の活動を支援するための体制作りの重要性が増大している。 (4) 在日外国人問題
95年日本に入国した外国人の数は373万人(94年383万人)、また、95年末の外国人登録者数は136万人(94年135万人、法務省統計)と若干停滞傾向が見られるが、今後の趨勢としては日本の国際化の進展とともに漸次増加していくものと考えられる。 |