第2章 地域別に見た外交 第8節 アフリカ 4 南部アフリカ地域 (1)アンゴラ アンゴラは安定した政治基盤を有し、地域の平和と安定に重要な役割を果たしている。同国は2025年にAU議長国を務めており、8月のTICAD 9ではロウレンソ大統領が石破総理大臣と共に共同議長を務め、首脳会談が行われた。 2月には、南アフリカで開催されたG20外相会合の機会を捉え、岩屋外務大臣とアントニオ外相が会談した。7月の大阪・関西万博のアンゴラ・ナショナルデーに参加するため、ブラガンサ大統領府社会分野担当相が訪日した。日本からも、7月に総理特使として山際大志郎衆議院議員がロウレンソ大統領を表敬し、TICAD 9共同議長としての協力を要請した。また、11月のアンゴラ独立50周年記念式典には大西洋平外務大臣政務官が出席し、ロウレンソ大統領を表敬して総理親書を手交した。 (2)エスワティニ エスワティニは、国王であるムスワティ3世の下、君主が自ら政治に積極的に関わる体制が維持され、またアフリカで唯一、台湾と外交関係を有する国である。6月には、大阪・関西万博のエスワティニ・ナショナルデー出席のため、ドラミニ首相が訪日し、石破総理大臣と首脳会談を実施した。8月のTICAD 9では、ムスワティ3世国王及びマツェブラ王妃が訪日し、石破総理大臣と同国王陛下が首脳会談を実施し、両首脳は、二国間関係を一層強化することで一致した。 (3)ザンビア 銅などの豊富な鉱物資源を有するザンビアとは、2024年に外交関係樹立60周年を迎え、2025年2月にはヒチレマ大統領が訪日し、石破総理大臣と会談した。7月には大阪・関西万博のザンビア・ナショナルデー出席のためシクンバ観光相が訪日、また、8月にはナルマンゴ副大統領がTICAD 9出席のため訪日し、石破総理大臣を表敬した。ザンビアへの投資には日本企業も関心を有しており、2月に署名された日・ザンビア投資協定も踏まえ、活発なハイレベルでの交流を通じ、二国間関係の強化と国際場裡での協力深化を確認した。 (4)ジンバブエ ジンバブエは、豊富な鉱物資源や肥沃な土地に恵まれた内陸国であり、南部アフリカ地域における交通・流通及び送電などの要衝である。2025年に日本とジンバブエは外交樹立45周年を迎えた。7月には、ムナンガグワ大統領が大阪・関西万博ジンバブエ・ナショナルデーに出席するために訪日したほか、8月のTICAD 9にも出席し、石破総理大臣との首脳会談を行なった。同会談で、両首脳は、二国間関係の強化と国際場裡での協力について一致した。また、9月にはムデンダ国会議長が訪日し、衆参両院議長や日本・AU友好議員連盟の議員と会談し、議員間交流の活発化について議論した。 (5)ナミビア 2024年11月の大統領選挙で勝利した与党の南西アフリカ人民機構(SWAPO)党首のナンディ=ンダイトワ副大統領が、3月21日に同国初となる女性大統領に就任した。同日に行われた大統領就任式及び独立35周年記念式典には、鈴木貴子衆議院議員が特派大使として出席し、同大統領への表敬を行った。8月には、TICAD 9出席のため訪日したングラレ首相が石破総理大臣と会談し、両首脳は、鉱物・エネルギー資源やグリーン水素における投資促進や人材支援における協力、二国間関係の更なる発展について一致した。 (6)ボツワナ 南部アフリカの安定した民主主義国であるボツワナは、ダイヤモンド資源を背景に成長してきたが、ダイヤモンド価格下落に伴い、同国では経済多角化が最重要課題となっている(2025年末時点)。8月、TICAD 9の際には、ハオラテ副大統領兼財務相が石破総理大臣を表敬したほか、ブタレ国際関係相と岩屋外務大臣が外相会談を行った。11月にはハオラテ副大統領兼財務相が閣僚級招へいで再訪日し、茂木外務大臣と会談を行い、両国は、二国間関係の更なる強化に向け一層協力していくことで一致した。 日・ボツワナ外相会談(11月26日、東京) (7)マラウイ 日本は、価値や原則を共有するマラウイと長年にわたり友好関係を築いており、6月には、大阪・関西万博のマラウイ・ナショナルデー出席のため、ムンバ貿易・産業相が訪日した。8月のTICAD 9では、岩屋外務大臣とテンボ外相が会談を行い、両国は、世界最多の累積派遣数を誇るJICA海外協力隊派遣を通じた友好関係の増進や経済関係の強化により、二国間関係を更に発展させることで一致した。9月には大統領選挙が実施され、ムタリカ元大統領が当選を果たした。 (8)南アフリカ 南アフリカは、2024年12月からアフリカで初となるG20議長国を務めた。2月のG20外相会合では、岩屋外務大臣がラモラ国際開発・協力相と会談し、二国間関係の強化や国際場裡における連携を確認した。3月にはマシャティーレ副大統領が外務省閣僚級招へいで訪日し、石破総理大臣を表敬したほか、林官房長官との会談を実施した。8月にはTICAD 9出席のためにラマポーザ大統領が訪日し、石破総理大臣との首脳会談を実施した。11月には高市総理大臣がG20首脳会合に出席し、ラマポーザ大統領と首脳会談を行い、TICAD 9及びG20サミットの成果を踏まえ、両国で今後も緊密に協力していくことで一致した。 日・南アフリカ首脳会談(11月28日、南アフリカ・ヨハネスブルグ 写真提供:首相官邸ホームページ) (9)モザンビーク モザンビークは、天然ガス、石炭、黒鉛などの豊かな天然資源を有し、南東部アフリカの玄関口としてFOIPを西側から臨む要衝である。同国北部における武装勢力による襲撃により、2021年に、日本企業も参画する液化天然ガス(LNG)開発事業が中断されて以降、日本政府は、治安改善に向け様々な支援を継続している。 6月には大阪・関西万博のモザンビーク・ナショナルデーに参加するため、レヴィ首相が訪日し、林官房長官と会談したほか、8月のTICAD 9ではチャポ大統領が訪日して石破総理大臣と首脳会談を行い、両首脳は、二国間関係の強化とナカラ回廊開発における協力を継続していくことで一致した。 日・モザンビーク首脳会談 (8月22日、横浜 写真提供:首相官邸ホームページ) (10)レソト レソトは国土の大部分が山岳高地の内陸国で、豊富な水資源を有し、近隣国に水を輸出している。日本も、同国の小水力発電設備に対する支援など、様々な分野で協力関係を築いてきた。7月には、大阪・関西万博のレソト・ナショナルデー出席のため、レツィエ3世国王及びマセナテ王妃が訪日した。また、8月のTICAD 9では、マテカネ首相が初訪日し、石破総理大臣と首脳会談を行い、両首脳は二国間関係を一層強化することで一致した。