巻頭特集 世界と共創し、国益を守る ─世界のパートナーとの連携─ アフリカ開発会議(TICAD)閣僚会合 TICADとは? TICAD(アフリカ開発会議:Tokyo International Conference on African Development)は、1993年に日本が立ち上げた、アフリカ開発に関する国際会議です。アフリカの「オーナーシップ」と、日本を含む国際社会との「パートナーシップ」という基本理念の下で、アフリカの開発を支援しています。 2024年TICAD閣僚会合 ーテーマと概要ー ●TICAD閣僚会合は、8月24日から25日まで、東京で開催されました。上川外務大臣がモーリタニアのメルズーグ外務・アフリカ協力・在外モーリタニア人相(アフリカ連合(AU)議長国)と共に共同議長を務め、アフリカ47か国が参加したほか、国際機関、民間企業、国会議員、市民団体の代表などが出席しました。 ●「革新的解決の共創、アフリカと共に」のテーマの下、2025年のTICAD9を見据え、未来志向の課題解決、若者と女性、連結性と知のプラットフォームの三つの視点を意識し、社会、平和と安定、経済の三つの柱について議論を行いました。 ●六つのテーマ別の関連会合と3回の多数国間会談(ワーキング・ランチ形式)を含め、多くの革新的な解決策が共有され、これらの解決策やアイディアをアフリカ各地に展開し、さらにグローバルな課題解決に貢献していくことで一致しました。成果文書として「TICAD閣僚会合共同コミュニケ」を採択しました。 2024年TICAD閣僚会合開会式(8月24日、東京) TICAD閣僚会合歓迎レセプションにおける盆踊り (8月24日、東京) TICAD閣僚会合閉会セッションの様子 (8月25日、東京) 共同議長を務める上川外務大臣(8月24日、東京) アフリカの課題への解決策を日本とアフリカで共に創り上げるために、日本の地方の技術や若者のアイディアを活用しながら、革新的な方法でアフリカの課題解決策に貢献する“Made with Japan”の協力を展開していきたい! アフリカとの二国間会談 TICAD閣僚会合の際、上川外務大臣は33回、辻󠄀清人外務副大臣は10回、深澤陽一外務大臣政務官は3回、アフリカ各国・機関の代表との間で会談等を行いました。これらを通じ、二国間関係や国連安全保障理事会(安保理)改革を含む国際場裡(り)における協力に関し、意見交換を行いました。多くの国・機関の代表から、TICADプロセスを通じたアフリカにおける日本の貢献に謝意が伝えられました。 各セッションの概要 セッション1 社会:「持続可能な未来の実現」 日本とアフリカの若者の交流や協力の必要性の確認保健システムの強化、環境・気候変動への取組など様々な社会課題の解決に有益なアイディアを共有 セッション2 平和と安定:「人間の尊厳と人間の安全保障の確保」 女性・平和・安全保障(WPS)*1の重要性の確認「アフリカの角における女性平和人材育成イニシアティブ」の立ち上げの発表紛争予防や紛争の根本原因への対応、人道・開発・平和の連携による分野横断的なアプローチ、グッド・ガバナンス、法の支配強化の重要性の確認アフリカの声を正しく反映するための国連安保理改革の必要性を確認 セッション3 経済:「貿易と投資の促進」 企業約70社を含む官民約400人が参加。日・アフリカ双方のスタートアップに焦点を当て、第1部パネルディスカッション、第2部ネットワーキング・セッションを開催第1部では、スタートアップ・エコシステムの構築支援などについて討論。アフリカ側からはTICADや民間主導のデジタルトランスフォーメーション(DX)への高い評価、企業側からはアフリカにおけるビジネス環境整備への期待などを表明第2部では、アフリカ閣僚、日・アフリカ双方の企業関係者をつなぎ、新たなビジネスの機会を提供 日・モーリタ二ア外相会談(8月24日、東京) *1 Women, Peace and Security