第2章 地域別に見た外交 2 米国 (1)米国情勢 ア 政治 2022年の米国内政では、11月の中間選挙の趨(すう)勢を占う観点から、バイデン政権が新型コロナ対策や経済回復のための各種施策を着実に進め、国政を安定的に運営できるかという点に注目が集まった。また、米国国民の分断や党派対立が進行しているとの見方が多い中、バイデン大統領が国民の融和に向けた取組を進められるかも注目された。 1月の米国における1日の新型コロナ感染者数は100万人を超え、1月19日のバイデン大統領就任1周年時の記者会見では、新型コロナ対策の成果を強調しつつ、新型コロナで打撃を受けた経済の回復やインフレへの対応が急務として、「ビルド・バック・ベター」法案への支持を訴えた。バイデン大統領には、社会保障や気候変動対策などを含む大型歳出法案である同法案の検討を進めつつ、並行して2022年歳出法案の成立に向けても、民主・共和両党及び民主党内をまとめる指導力の発揮が求められた。一方、郵便投票の拡大など、投票権を守るため議会上院で審議された「投票権法案」は、民主党内に反対する議員もあって否決された。同法案は、2020年大統領選挙でトランプ前大統領が自身の敗北を認めず選挙制度を否定したことに端を発し、共和党が自党の勢力が強い州を中心に投票制度の厳格化などの州法改正を進める動きに対抗してバイデン政権が主導したものであったが、民主党内の調整がいかに困難であるかを明らかにする結果となった。 2月にロシアがウクライナに対する侵略を開始したことを受け、米国はロシアに対していち早く大規模な経済制裁を科し、軍事面での圧力をかける一方、2022年度予算で136億ドルの新規ウクライナ支援を決め、同志国の結束強化に努めた。3月1日、バイデン大統領は連邦議会で一般教書演説を行い、ウクライナ情勢ではプーチン大統領を強く非難しつつ他国との連携を強調した。また、経済問題については、投資や雇用の増加を強調しつつ、インフレ対策を最優先課題として掲げた。なお、同演説では駐米ウクライナ大使が大統領夫人の横で傍聴し、出席議員の喝采を受ける一幕も見られた。ウクライナに対しては、5月に400億ドルの追加支援を決め、支援の継続を国内外に強調した。 内政においては銃規制をめぐる動きも注目された。5月、ニューヨーク州バッファローの食料品店とテキサス州ユバルディの小学校で、いずれも18歳の少年が起こした銃乱射事件を受け、銃規制を訴える世論が高まり、全米各地でデモが発生した。バイデン大統領は連邦議会に行動を呼びかけ、6月には上院・下院の超党派により28年ぶりの大規模な銃規制法案が可決された。バイデン大統領は法案署名に際し、「やるべきことはまだ多く、決してあきらめない」との声明を発表し、更なる対応の必要性を強調した。一方、同月、連邦最高裁判所が自宅外で拳銃を隠して携帯することを制限するニューヨーク州の銃規制法を違憲と判断し、これに対してバイデン大統領は「深く失望する」との声明を発表した。 2022年は人工妊娠中絶の是非をめぐる議論が高まった年でもあった。6月、連邦最高裁判所は、妊娠中絶を制限するミシシッピ州法の合憲性をめぐる裁判で、女性の妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆す判決を下した。中絶賛成派(女性の選択権を尊重する「プロ・チョイス」)は同判決に強く反発し、全米各地で抗議行動を実施した一方で、中絶反対派(胎児の生命を尊重する「プロ・ライフ」)は同判断を祝う集会を行うなど、国内の分断が顕在化した。なお、連邦最高裁判所の判事の構成は、トランプ前大統領が在任時に保守派とされる3人の判事を指名した影響もあり、バイデン大統領が指名したリベラル派のジャクソン氏が4月に議会上院で承認されはしたものの、判事の構成は全体として保守寄りとされている。 経済面においては、新型コロナ後の各種経済対策が効果を見せ始めていたことに加え、需要回復に続くサプライチェーンの混乱などの要因もあってインフレが進んでいたが、ウクライナ情勢に起因する世界的なエネルギー・食料価格の高騰でインフレに更なる拍車がかかった。6月にはレギュラーガソリンの価格が1ガロン当たり5ドルを超える価格で推移し、バイデン政権は米国が保有している石油戦略備蓄を市場に放出することで価格高騰に対応したが、インフレへの不満などから2021年の就任当初50%台だったバイデン大統領の支持率は、2022年に入り40%台前半まで低下し、7月には40%を下回るようになった。インフレは米国国民の家計に深刻な影響を与えており、中間選挙では大きな争点となることが予想された。こうした状況を受け、バイデン大統領は自ら議会調整に尽力し、8月には中国との競争を念頭に国内の産業競争力を強化する目的で議論が続けられてきた「半導体の国内生産を支援する半導体・科学法」や、前述の「ビルド・バック・ベター」法案を基に支出規模を縮小した「インフレ削減法」を成立させた。これらの経済政策に対して米国国民は好意的に反応し、それまで下降傾向にあったバイデン大統領の支持率は反転することになった。 一方、共和党では、トランプ前大統領の動向が11月の中間選挙及び2024年の大統領選挙の成功の鍵を握っているとされた。2020年の大統領選挙で不正があったとしてトランプ前大統領の支持者らが2021年1月に連邦議会議事堂を襲撃したが、トランプ前大統領がこれを扇動したとして、民主党主導により設置された下院特別委員会が事案の真相を究明するため様々な調査を行い、2022年6月からは公開公聴会が行われて多数のトランプ政権元幹部などが証言を行った。8月にはトランプ前大統領が大統領退任時にホワイトハウスから文書を違法に持ち出し、公文書の秘匿・隠蔽などを行ったとして、FBI(連邦捜査局)がフロリダ州の私邸マー・ラ・ラゴの邸宅を捜査した。同前大統領は、本件捜索は自身の2024年大統領選への出馬の阻止を企む急進左派による攻撃だと主張し、その政策スタンスも含めて多くの共和党支持者に引き続き支持された。同前大統領は、その人気を背景に、自身に批判的な議員を政治集会の場で非難したり、中間選挙の共和党予備選で自らが支持する候補者を支援したりするなど、政治的な活動を強化した。 11月8日、インフレ、人工妊娠中絶、治安と銃規制、トランプ前大統領をめぐる選挙不正に係る議論といった様々な問題が取り沙汰される中、中間選挙が行われた。歴史的に政権1期目の大統領の政党は中間選挙で厳しい結果となる例が多く、また米国全土で深刻なインフレに直面していたこともあり、選挙直前には上院・下院共に共和党が圧勝する「赤い波」(赤は共和党のシンボルカラー)が起きると予想されていたが、下院では共和党は435議席中222議席獲得による僅差での過半数獲得にとどまり、上院では民主党が51議席を獲得して多数派を維持した。州知事選では、民主党が2州増やし、改選された36州について民主党・共和党がそれぞれ18州ずつ獲得する結果となった。全体として選挙前に予想された「赤い波」は起きなかったとの見方が一般的であり、前述の人工妊娠中絶禁止への反発や、2020年大統領選挙の否定派に対する拒否反応が、事前の予想以上に若年層、女性、無党派層や一部共和党支持者に拡大したことが、その要因と見られている。特に上院選で事前に接戦が予想された4州(アリゾナ州、ジョージア州、ネバダ州、ペンシルバニア州)では民主党に投票した若年層の割合が高く、民主党が善戦したとの見方が強い。実際、これら4州で、トランプ前大統領の支持を受けていた共和党候補は全敗となり、同前大統領の人気に陰りが見られる結果となった。 中間選挙の結果、民主党は上院では多数派を維持したものの、下院では共和党に過半数を奪われ、2023年には政権・上院と下院が「ねじれ議会」で議論を戦わせることになった。これにより、バイデン大統領は政策実現のため、大統領令を最大限活用することになるとの見方もある。選挙翌週の11月15日にはトランプ前大統領が2024年大統領選挙への立候補を表明するなど、早くも大統領選挙に向けた動きが始まっている。一方で、前述の選挙結果を受け、同前大統領の影響力の低下が指摘されており、共和党ではフロリダ州知事選挙で大勝したデサンティス州知事の動きに注目が集まる中、大統領選に向けた動きは今後一層活発化していくと思われる。2023年の「ねじれ議会」の下でのバイデン政権の舵(かじ)取りや、2024年の大統領選挙を見据えた両党の今後の動向が注目される。 イ 経済 (ア)経済の現状 2022年は、バイデン政権にとって、根強いインフレと金融引締めに伴う景気後退の懸念など、経済面の課題に対応する1年となった。2021年に引き続き、新型コロナ流行下で生じた世界的なサプライチェーンの混乱や人手不足に起因する供給不足により、インフレが加速した。2022年後半にかけて徐々に伸びが鈍化したものの、一時、米国の消費者物価指数(CPI)は約40年ぶりに前年同月比率9%台(2022年6月、9.1%)の上昇を記録した。根強いインフレは、米国国民の日常生活を脅かすこととなり、2022年11月に実施された中間選挙においても有権者の一番の関心事項となった。 実質GDPについては、2021年は前年比5.7%と約40年ぶりの水準となったが、2022年は1月から3月、4月から6月ともにマイナス成長となったが、7月から9月には前期比年率3.2%とプラスに転じ、GDPの7割を占める個人消費についても2.3%と上昇した。 雇用においては、失業率は年間を通じ安定して3%台で推移、雇用者数も着実に増加したものの、労働参加率(生産年齢人口(16歳以上の人口)に占める労働力人口(就業者+失業者)の割合)は62.2%(2022年10月時点)と新型コロナ流行前の63.4%(2022年2月時点)と比較して依然として回復途上にあり、労働需要が安定する一方、労働供給の不足に伴う労働市場のひっ迫が課題となった。 (イ)経済政策 バイデン政権は2021年、新型コロナ経済対策としての「米国救済計画法」やインフラ分野への投資に特化した「インフラ投資・雇用法」といった大型財政法を成立させたものの、共和党だけでなく民主党内からも反発があり、気候変動対策や人的投資を盛り込んだ法案の成立は頓挫していた。しかし、党内で継続して調整を行った結果、2021年に発表された「ビルド・バック・ベター法案」から歳出規模を縮小することで合意し、2022年8月16日に、気候変動対策に重きを置いた「インフレ削減法」が成立した。 「インフレ削減法」は、クリーンエネルギー導入に伴う税額控除などの気候変動対策への3,910億ドルの投資を含む、計4,990億ドルの歳出を含む一方、大企業への15%の最低法人税率導入、政府に対する製薬会社との処方箋薬価の交渉権付与、自社株買いに対する1%課税といった歳出以上の歳入を盛り込むことで、インフレの抑制に寄与することが目指されている。半導体業界への資金援助を伴う法案についても合意が達成され、8月9日に「半導体及び科学法」が成立した。半導体産業に充当する予算として527億ドルが計上された本法律を受け、米国内外の多数の企業が米国での半導体製造工場の建設といった投資計画を表明した。 金融政策においては、2021年から続く高インフレを正常化するため、連邦公開市場委員会(FOMC)は2022年3月の会合における0.25%の金利引上げを皮切りに、以降毎会合0.5%ないし0.75%の大幅な利上げを決定した。5月には、連邦準備制度理事会(FRB)の保有資産を縮小する量的引締めも決定しており、一層金融引締めを強めている。 (2)日米政治関係 2022年1月から2023年1月末までに、日米は首脳間で9回(うち電話会談2回、テレビ会談1回)、外相間で14回(うち電話会談6回)会談を行うなど、ポスト・コロナに向けて要人往来が本格的に再開する中、ハイレベルで頻繁な政策のすり合わせを継続して行った。首脳間、外相間の深い信頼関係の下、日米同盟はかつてなく強固なものとなっており、両国は中国や北朝鮮、ウクライナなどの地域情勢や新型コロナ、気候変動、核軍縮・不拡散などの地球規模課題への対応などにおいて緊密に連携している。 1月6日、林外務大臣は、ブリンケン国務長官と日米外相電話会談を行った。両外相は、日米同盟の強化及びFOIPの実現に向けて、日米で連携していくことを再確認した。また、両外相は、在日米軍の新型コロナ感染状況や、北朝鮮やロシア・ウクライナなどの地域情勢について意見交換を行った。 1月21日、岸田総理大臣は、バイデン大統領と日米首脳テレビ会談を行った。両首脳は、FOIPの実現に向け、強固な日米同盟の下、日米両国が緊密に連携し、オーストラリア、インド、ASEAN、欧州などの同志国との協力を深化させることで一致した。また、両首脳は、中国、北朝鮮、ロシア・ウクライナなどの地域情勢について意見交換を行った。さらに、両首脳は、地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化することで一致した。岸田総理大臣から、新たに国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画を策定し、日本の防衛力を抜本的に強化する決意を表明し、バイデン大統領は、これに支持を表明した。また、極めて重要な防衛分野における投資を今後も持続させることの重要性を強調した。そして、岸田総理大臣は、「新しい資本主義」の考え方を説明し、持続可能で包摂的な経済社会の実現のための新しい政策イニシアティブについて議論を深めていくことで一致した。両首脳は、閣僚級の日米経済政策協議委員会(経済版「2+2」)の立上げに合意し、「日米競争力・強靭性(コア)パートナーシップ」などに基づき、日米間の経済協力及び相互交流を拡大・深化させていくことで一致した。そのほか、両首脳は、「核兵器のない世界」に向けて共に取り組んでいくことを確認し、核兵器不拡散条約(NPT)に関する日米共同声明が同日に発出されたことの意義を強調した。 2月2日、林外務大臣は、ブリンケン国務長官と日米外相電話会談を行った。両外相は、北朝鮮の核・ミサイル活動について意見交換を行い、一層厳しさを増す地域の安全保障環境に鑑み、日米同盟の抑止力・対処力の強化が不可欠であり、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致した。また、両外相は、ロシア・ウクライナ情勢についても意見交換を行った。 2月11日、日米豪印外相会合出席のためオーストラリアを訪問した林外務大臣は、ブリンケン国務長官と日米外相会談を行った。両外相は、FOIPの実現に向け、引き続き日米で緊密に連携し、オーストラリア、インド、ASEAN、欧州などの同志国との協力を深化させていくことで一致した。また、両外相は、中国、北朝鮮、ロシア・ウクライナなどの地域情勢について意見交換を行い、その上で、一層厳しさを増す地域の安全保障環境に鑑み、日米同盟の抑止力・対処力の強化が不可欠であり、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致した。さらに、両外相は、岸田総理大臣とバイデン大統領がそれぞれ推進する「新しい資本主義」と「より良い回復」について意見交換を行い、今後、経済版「2+2」も活用しながら、双方の経済政策について議論を深めていくことで一致した。また、林外務大臣から、米国のTPP復帰を促した。 2月26日、林外務大臣は、ブリンケン国務長官と日米外相電話会談を行った。両外相は、ロシア・ウクライナ情勢について意見交換を行い、引き続き日米、そしてG7を始めとする国際社会と緊密に連携していくことで一致した。その上で、両外相は、日米同盟の抑止力・対処力の強化が不可欠である点を改めて確認し、FOIPの実現に向け、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致した。 3月24日、G7首脳会合に出席するためベルギーを訪問した岸田総理大臣は、バイデン大統領と懇談を行った。両首脳はロシア・ウクライナ情勢について意見交換を行い、また、北朝鮮の核・ミサイル活動を非難し、北朝鮮への対応において、引き続き日米で緊密に連携していくことを確認した。さらに、両首脳は、日米同盟の一層の強化について引き続き議論していくことで一致した。 同24日、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、林外務大臣は、ブリンケン国務長官と日米外相電話会談を行い、北朝鮮の核・ミサイル活動について意見交換を行った。両外相は、ロシアによるウクライナ侵略への対応に国際社会が注力している中、北朝鮮に挑発的な行動を進める機会の窓が開いたと誤信させてはならないという点で一致し、このように一層厳しさを増す地域の安全保障環境に鑑み、日米同盟の抑止力・対処力の強化が不可欠であり、引き続き日米で緊密に連携していくことを再確認した。 4月7日、NATO外相会合及びG7外相会合出席のためベルギーを訪問した林外務大臣は、ブリンケン国務長官と日米外相会談を行った。両外相は、ロシア・ウクライナ、中国、北朝鮮などの国際情勢について意見交換を行った。また、両外相は、一層厳しさを増す地域の安全保障環境に鑑み、日米同盟の抑止力・対処力の強化が不可欠であり、日米で、政治、安全保障、経済のあらゆる面において、地域へのコミットメントを強化していくことを確認した。さらに、両外相は、エネルギーの安定供給確保について意見交換を行った。 5月22日から24日まで、バイデン大統領が、大統領就任後初めて訪日し、岸田総理大臣と日米首脳会談を行った。両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略が国際秩序の根幹を揺るがす中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を断固として守り抜く必要性を改めて確認した。その上で、両首脳は、インド太平洋地域こそがグローバルな平和、安全及び繁栄にとって極めて重要であるとの認識の下、FOIPの実現に向け、日米が国際社会を主導し、引き続き同志国と緊密に連携していくことで一致した。また、両首脳は、ロシア・ウクライナや北朝鮮などの地域情勢について意見交換を行った。中国をめぐる諸課題への対応に当たっては、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致し、さらに、両首脳は、台湾に関する両国の基本的な立場に変更はないことを確認し、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促した。バイデン大統領からは、日本の防衛へのコミットメントが改めて表明され、両首脳は、今後も拡大抑止が揺るぎないものであり続けることを確保するため、閣僚レベルも含め、日米間で一層緊密な意思疎通を行っていくことで一致した。さらに、両首脳は、地域の経済秩序への米国の関与がますます重要となっているとの認識を共有した上で、バイデン大統領から、インド太平洋経済枠組み(IPEF)の立上げを表明し、岸田総理大臣から、IPEFとその立上げに係るバイデン大統領のリーダーシップを評価し、日本として参加・協力することを述べつつ、戦略的な観点から、米国のTPP復帰を促した。その上で、両首脳は、日米両国の競争力・強靱性の強化のため、「日米競争力・強靱性(コア)パートナーシップ」の下、がん研究や宇宙などの分野において引き続き協力していくこと、また、経済安全保障の確保に向けた協力を強化していくことで一致した。また、両首脳は、エネルギー・食料問題や国連の改革と強化、核軍縮・不拡散、国際保健や気候変動などといった地球規模課題についても意見交換を行った。そのほか、両首脳は、ポスト・コロナに向けて各種交流事業を再開させ、重層的な人的交流を促進していくことで一致した。そして、両首脳は、会談の成果として、日米首脳共同声明「自由で開かれた国際秩序の強化」を発出した。 日米首脳会談(5月23日、東京 写真提供:内閣広報室) 同月23日、同じく訪日したブリンケン国務長官と林外務大臣との間で日米外相会談が行われた。両外相は、ロシア・ウクライナ、中国、北朝鮮などの国際情勢について意見交換を行い、地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟の抑止力・対処力を早急に強化していくことで一致した。また、両外相は、経済版「2+2」について意見交換を行い、7月の実施に向け、具体的な議論を加速化させることで一致した。 5月25日、日米・米韓首脳会談や日米豪印首脳会合が開催された直後の北朝鮮による弾道ミサイルの発射を受け、林外務大臣はブリンケン国務長官と日米外相電話会談を行った。両外相は、北朝鮮の核・ミサイル活動について意見交換を行った。 6月27日、G7エルマウ・サミットに出席するためドイツを訪問した岸田総理大臣は、バイデン大統領と日米首脳会談を行った。両首脳は、日米同盟の更なる強化及びFOIPの実現に向け、引き続き緊密に連携していくことを確認した。また、両首脳は、経済版「2+2」やロシア・ウクライナ情勢について意見交換を行った。 コラム夕食会に込められた思い ─バイデン米国大統領の訪日─ 5月、ジョセフ・バイデン米国大統領が訪日し、日米首脳会談などが行われました。米国大統領の訪日は2019年5月のトランプ大統領以来3年振り。バイデン大統領にとっては大統領就任後初めての訪日です。 バイデン大統領を迎えるに当たり、外務省担当者は、首脳会談において最大限の成果が得られるよう注力したのはもちろんのことですが、同時に、いかにバイデン大統領にとって思い出深い訪問とすることができるか、検討しました。日米の両首脳が親密な時間を過ごし、個人的な信頼関係を築き、バイデン大統領にとって今回の訪日が良い思い出になること、それは強固な日米関係を築いていく上で非常に重要です。 迎賓館での日米首脳会談の後に、美しい日本庭園で有名な歴史ある施設に場を移して開かれた非公式夕食会は、まさに両首脳が親睦を深める絶好の機会でした。 夕食会に先立ち、岸田裕子総理大臣夫人は、バイデン大統領への歓迎の意を伝えるため、手ずからしつらえた薄茶席を設けました。床の間には「千里同風」(遠く離れた土地であっても同じ風が吹き、調和が取れていること)と書かれた掛け軸を飾り、カルミア(バイデン大統領の出身地であるペンシルバニア州の州花)、もみじ(岸田総理大臣の出身地である広島県の県花)、笹ゆり(「百合」には両国の思いが合いますように、という意味が込められています。)を始めとする野花を入れた花入れを置きました。また、バイデン大統領のお茶碗には平和な世にのみ姿を現すと言われ、縁起が良いとされる鳳凰(ほうおう)の柄を選びました。お抹茶を味わうバイデン大統領に、おもてなしの心は十分に伝わったように見受けられました。 岸田総理大臣夫人によるお点前(てまえ) (5月、東京 写真提供:内閣広報室) その後の夕食会には、バイデン大統領の好みを調べつつ、吟味を重ねた料理を用意しました。メニューは伝統的な和食に洋食の要素を取り入れた特別料理。実は、デザートだけは、初めから決まっていました。バイデン大統領の大好物、ジェラートです。 ただし、ジェラートといってもただのジェラートではありません。実は、バイデン大統領は東日本大震災の直後の2011年8月に訪日し、被災した宮城県名取市を訪れていました。当時副大統領だったバイデン大統領は、仙台空港で被災地の復興の努力を称(たた)え、米国の日本に寄り添う姿勢を述べる思いやりのこもったスピーチを行い、自ら仮設住宅に足を運び、住民の方々と直接交流しました。 今回外務省は、この名取市からジェラートを取り寄せたのです。警備上の観点から事前に詳細を伝えることはできず、店側に伝えられたのは日程と個数だけでしたが、突然連絡を受けたジェラート店はできる限りできたてのジェラートを届けてくれました。その温かなおもてなしの心が、バイデン大統領にしっかり届いたのでしょう。バイデン大統領はジェラートを最後の一匙(さじ)まで味わわれました。 食事を交えながら、日米関係のみならず、自身の生い立ちや政治家としての歩み、家族のことに至るまで、打ち解けて語り合った両首脳。日米の絆(きずな)が、より一層深まった夜となりました。 7月9日、安倍元総理大臣の逝去を受け、岸田総理大臣はバイデン大統領と日米首脳電話会談を行った。バイデン大統領から、安倍元総理大臣の逝去に対する弔意が表明され、その上で自分は総理、そして日本国民と共にあるとの発言があった。これに対し、岸田総理大臣から、バイデン大統領の発言に謝意を述べた上で、民主主義の根幹である選挙が行われている中で起きたこのような卑劣な蛮行を決して許すことはできない、自分は現職の総理大臣として暴力に屈せず民主主義を守り抜く、そして日米同盟を新たな高みへと導いた安倍元総理大臣の遺志を継いで日米同盟の更なる強化に努めたいと述べた。 7月11日には、東南アジアを歴訪中であったブリンケン国務長官が急遽(きょ)訪日し、岸田総理大臣を表敬した。ブリンケン国務長官から、安倍元総理大臣の逝去に対する哀悼の意が示された。また、安倍元総理大臣は揺るぎない日米同盟の擁護者であり、またFOIPという先見性あるビジョンを掲げ、米国を始め同志国との連携強化に多大な功績を残されたと述べた。これに対し、岸田総理大臣から、米側の温かい気持ちに深謝した上で、日米同盟を大いに進化させた安倍元総理大臣の遺志を継いで、日米同盟の更なる強化に努めたいと改めて述べた。 7月28日から31日にかけて、林外務大臣はワシントンD.C.を訪問し、経済版「2+2」に出席した。また、ブリンケン国務長官と日米外相会談を行った。両外相は、日米間の安全保障・防衛協力を拡大・深化させ、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくことを再確認した。その上で、両外相は、日米拡大抑止協議の実施を歓迎し、米国による拡大抑止の信頼性・強靱性を引き続き確保する観点から、今後とも様々なレベルで緊密な意思疎通を続けていくことで一致した。また、両外相は、在日米軍再編やロシア・ウクライナ、中国、北朝鮮などの地域情勢について意見交換を行った。さらに、両外相は、インド太平洋地域の経済秩序に対する米国の関与がますます重要となっているとの認識を共有した上で、林外務大臣から、IPEFへの支持と併せて米国の早期のTPP復帰を改めて促した。 8月4日、ASEAN関連外相会議のためカンボジアを訪問した林外務大臣は、ブリンケン国務長官との間で立ち話を行った。両外相は、ペローシ下院議長訪台後に発生した中国による弾道ミサイル発射を強く非難し、地域の平和と安定のため、引き続き日米で緊密に連携していくことを確認した。 9月21日、国連総会出席のためニューヨークを訪問した岸田総理大臣は、バイデン大統領と懇談を行った。両首脳は、地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、引き続き日米同盟の強化を図っていくことを改めて確認した。また、両首脳は、安保理改革やグローバルファンドについて意見交換を行った。 故安倍晋三国葬儀に際しては、米国からはハリス副大統領を団長とする代表団が葬儀に参列するため訪日し、9月26日、岸田総理大臣は、ハリス副大統領による表敬を受けた。ハリス副大統領から、安倍元総理大臣の逝去に対する哀悼の意が改めて示された。これに対し、岸田総理大臣から、国葬儀への参列を含め、ハリス副大統領の弔意に対する謝意を表明した。その上で、両者は、日米同盟の更なる強化やFOIPの実現に向け、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致した。また、両者は、ロシア・ウクライナ、中国、北朝鮮などの地域情勢について意見交換を行ったほか、IPEFや宇宙分野、安保理改革、G7広島サミットといった様々な分野でも日米間で協力、連携していくことで一致した。 ハリス米国副大統領による岸田総理大臣表敬(9月26日、東京 写真提供:内閣広報室)*首相官邸ホームページを加工して作成 10月4日、1週間で4回という例を見ない頻度での発射に続き、北朝鮮がおよそ5年ぶりに日本上空を通過する弾道ミサイル発射を行ったことを受け、岸田総理大臣とバイデン大統領が、林外務大臣とブリンケン国務長官がそれぞれ電話会談を行った。両電話会談において、北朝鮮の行動を強く非難し、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に向け、安保理における更なる対応などについて、引き続き日米、日米韓で緊密に連携していくことが確認された。 11月3日、2日及び3日の北朝鮮による一連の弾道ミサイル発射を受け、G7外相会合出席のためドイツ・ミュンスターを訪問中の林外務大臣は、ブリンケン国務長官と立ち話を行った。両外相は、北朝鮮の行動を強く非難し、核・ミサイル活動について意見交換を行った。 翌4日には、林外務大臣はブリンケン国務長官と日米外相会談を行った。林外務大臣から、米国の「国家安全保障戦略」では、FOIPの推進が明記され、尖閣諸島を含む日本防衛に対する米国の揺るぎないコミットメントが再確認されており、高く評価すると述べたのに対し、ブリンケン国務長官から、自由で開かれた国際秩序を守り抜くべく、同盟国及びパートナーと引き続き緊密に連携していきたいと述べた。また、両外相は中国、北朝鮮、ロシア・ウクライナなどの地域情勢について意見交換を行った。 日米外相会談(11月4日、ドイツ・ミュンヘン) 11月13日、ASEAN関連首脳会議出席のためカンボジア・プノンペンを訪問した岸田総理大臣はバイデン大統領と日米首脳会談を行った。両首脳は、強固な日米関係が地域及び国際社会の平和と安定に果たすべき役割は大きいとの認識を共有し、日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化を図った。さらに、FOIPの実現に向けた取組を推進し、地域及び国際社会の平和と繁栄を確保するため日米で協働していくことで一致した。また、両首脳は、中国や北朝鮮、ロシア・ウクライナなどの地域情勢について意見交換を行ったほか、日本の防衛力の強化や地域の経済秩序について議論した。 2023年1月11日、日米安全保障協議委員会(「2+2」)出席のためワシントンD.C.を訪問した林外務大臣は、ブリンケン国務長官と日米外相会談を行った。両外相は、本会談に先立ち開催された日米「2+2」でのやり取りも踏まえつつ、日本の防衛力強化を米国の能力のより効果的な発揮にもつなげ、日米同盟総体としての抑止力・対処力を一層強化していくことを改めて確認した。また、両外相は中国をめぐる諸課題への対応や、G7広島サミット及びG7外相会合の成功に向けて、引き続き日米で緊密に連携していくことを確認した。 1月13日、ワシントンD.C.を訪問した岸田総理大臣はバイデン大統領と日米首脳会談を行った。両首脳は、日米両国が近年で最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している中、2022年に発表した日米両国の国家安全保障戦略が軌を一にしていることを歓迎し、日米両国の戦略を実施するに当たって相乗効果を生み出すようにすることを含め、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくとの決意を新たにした。その上で、両首脳は、安全保障分野での日米協力に関する具体的協議を更に深化させるよう指示した。両首脳は、地域情勢についても意見交換を行い、中国をめぐる諸課題への対応に当たり、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致し、また、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促した。そのほか、北朝鮮やロシア・ウクライナについても意見交換を行った。また、岸田総理大臣は、G7広島サミットでは、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くというG7のビジョンや決意を示していく、また、インド太平洋についてもしっかり議論したいとの考えを説明し、両首脳はG7広島サミットの成功に向けて、引き続き日米で緊密に連携していくことを改めて確認した。さらに、岸田総理大臣から、FOIPの実現に向けた取組を強化していく考えであると述べたのに対し、バイデン大統領から、米国の地域に対する揺るぎないコミットメントが改めて表明され、両首脳は、日米でFOIP実現に向けた取組を推進していくことで一致した。会談を受けて両首脳は、自由で開かれたインド太平洋と平和で繁栄した世界という共通のビジョンに根ざし、法の支配を含む共通の価値や原則に導かれた、前例のない日米協力を改めて確認し、日米共同声明を発出した。 日米首脳会談(2023年1月13日、米国・ワシントンD.C. 写真提供:内閣広報室) (3)日米経済関係 日米経済関係は、安全保障、人的交流と並んで日米同盟を支える3要素の一つである。例えば、日本は、米国内の直接投資残高で3年連続世界最大の対米投資国(2021年は7,210億米ドル)であり、2020年には約93万人の雇用を創出した(英国に次ぎ2位)。このような活発な投資や雇用創出を通じた重層的な関係強化に加え、2022年には、対面外交の復活に後押しされ、経済分野における協力の拡大・深化に向けて新たな枠組みが始動するなど、日米経済関係が更なる発展を遂げる1年となった。 2021年4月に立ち上がった「日米競争力・強靭性(コア)パートナーシップ」については、発足から約1年後の2022年5月、バイデン大統領訪日の機会に(1)競争力・イノベーション、(2)新型コロナ対策・グローバルヘルス・健康安全保障(ヘルスセキュリティ)、(3)気候変動、クリーンエネルギー、グリーン成長・復興の柱の下、61項目にわたる進捗を示すファクトシートを発出した。 また、1月に立ち上がった日米経済政策協議委員会(経済版「2+2」)は、5月に次官級協議を開催し、日米を取り巻く戦略的環境に関する認識を共有しつつ、経済安全保障の確保、インド太平洋地域を含む国際社会のルールに基づく経済秩序の強化などについて議論した。7月には、4閣僚が対面で経済版「2+2」初会合を開催し、(1)ルールに基づく経済秩序を通じた平和と繁栄の実現、(2)経済的威圧と不公正で不透明な貸付慣行への対抗、(3)重要・新興技術と重要インフラの促進と保護、(4)サプライチェーンの強靭性の強化について議論を行った。さらに、具体的な行動計画を含む共同声明を発出し、インド太平洋地域を含む国際社会に対し、強固かつ時代の要請に柔軟に対応できる日米同盟の姿を示した。 経済版「2+2」(7月29日、米国・ワシントンD.C.) 通商分野では、2021年11月に立ち上がった「日米通商協力枠組み」において、インド太平洋地域における日米協力の強化やグローバルアジェンダに関する日米協力などについて議論した。2022年3月には第1回会合、8月には第2回会合が実施され、第三国の貿易慣行、デジタル、環境、労働、貿易円滑化、マルチ協力などに関する日米協力について議論が行われた。 また、2021年3月18日に日米貿易協定に定める米国産牛肉に関するセーフガード措置が発動されたことを受け、3月25日、同協定に関連して作成された交換公文上の義務に従い、同措置の適用の条件を修正するための協議が開始された。2022年6月2日、合意内容に基づいた日米貿易協定改正議定書がワシントンD.C.において冨田駐米大使とタイ米国通商代表との間で署名され、2023年1月1日に発効した。 さらに、日米は、インド太平洋地域の持続可能で包摂的な経済成長を目指し、地域のパートナーと共に幅広い分野での連携を強化している。5月23日、インド太平洋経済枠組み(IPEF)立上げに関する首脳級会合が東京で実施され、岸田総理大臣はバイデン大統領と共に対面で出席した。9月にロサンゼルスで行われた閣僚級会合では、IPEFメンバー14か国は貿易、サプライチェーン、クリーン経済、公正な経済の4分野に関して議論を行い、交渉対象を示した閣僚声明が採択された。日本は、自由で開かれた経済秩序の維持・強化という戦略的な観点から、引き続きIPEFの具体化に貢献していく。 IPEFの立上げに関する首脳級会合(5月23日、東京 写真提供:内閣広報室) IPEFで焦点が当てられた分野においても、引き続き二国間の緊密な協力が行われている。例えば、デジタル分野では、信頼性のある情報通信インフラの普及拡大や5Gなどの革新的技術に関し、様々な枠組みを通じて協力強化が図られている。8月に実施された第4回日米グローバル・デジタル連結性パートナーシップ(GDCP)1専門家レベル作業部会や、2023年2月に実施された第13回インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話では、Open RAN、5G、スマートシティ、「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」、AI、サイバーセキュリティなどに関し、政府関係者や民間事業者の間で意見交換が行われた。 また、インフラ分野では、米国運輸省及びカリフォルニア州との連携の下、8月に第5回日米インフラフォーラムが開催され、日米の両政府及び民間企業が脱炭素やデジタル分野における取組を紹介した。 エネルギー分野では、2021年4月に日米首脳間で立ち上げた日米クリーンエネルギーパートナーシップ(JUCEP)2に基づき、インド太平洋地域の脱炭素化やクリーンで安価かつ安全なエネルギー源への移行に向けた支援について議論を継続している。 連邦政府と並んで、特色豊かな各州とも緊密な関係を築くことは、より身近なレベルでの日米経済関係の深化につながる。2022年には、3年ぶりに中西部会合同会議、南東部会合同会議、日米財界人会議が米国で対面開催されたほか、経済・貿易ミッションを率いて、ノースダコタ州、メリーランド州及びネブラスカ州の知事、シアトル市長やヒューストン市長などが訪日した。また、カリフォルニア州、ワシントン州、メリーランド州の各政府との間で、経済及び貿易関係に関する協力覚書を更新した。さらに、11月にはオレゴン州との間で運転免許試験の一部相互免除に関する覚書を作成した3。 さらには、日米経済関係の土台を草の根レベルから強化するため、政府一丸となって対日理解促進にも取り組んでいる。2017年の「グラスルーツからの日米関係強化に関する政府タスクフォース」の立上げ以降、各地域の特徴や日本への関心の高さに応じたテイラーメイドの関係構築に努めてきた。一例として、日米がん共同研究の推進や防災分野のノウハウの共有などのイベントやウェビナーを実施した。また、デジタル田園都市国家構想など日本の政策や日本企業の技術を紹介する各種セミナー、ネットワーキングやビジネスマッチングイベントの開催など、様々な取組が各省庁、機関の協力の下で実施されている。今後も、日米経済関係の更なる飛躍に向けて、政府間の取組だけでなく、一人一人に訴えかける草の根レベルまで、様々な取組をオールジャパンで実施していく。 1 GDCP:Global Digital Connectivity Partnership 2 JUCEP:Japan-U.S. Clean Energy Partnership 3 現地邦人の運転免許取得の負担軽減を図り、各州との間で運転免許試験の一部相互免除に関する覚書の作成が進められている。メリーランド州、ワシントン州、ハワイ州、バージニア州、オハイオ州、インディアナ州の6州とは署名済