第4章 国民と共にある外交 3 海外移住者や日系人との協力 日本人の海外移住の歴史は2016年で148年となった。北米・中南米を中心として、全世界に約360万人(推定)以上とも言われる海外移住者や日系人が在住している。移住者や日系人は、政治、経済、教育、文化を始めとする各分野において各国の発展に寄与するとともに、日本と各在住国との「架け橋」として各国との関係緊密化に大きく貢献している。 外務省は国際協力機構(JICA)と共に、約213万人(推定)の日系人が在住している中南米諸国において、移住者の高齢化に対応する福祉支援、日系人を対象とした日本国内への研修員受入れ、現地日系人社会へのボランティア派遣などの協力を行っている。 また、北米や中南米においては、各国・地域の様々な分野で指導的立場にいる日系人を日本に招へいするプログラムが実施されているほか、例えば日系人指導者と在外公館長との間で二国間関係強化の方法を話し合う会合を開催し、また、日本からの要人訪問の機会に日系人との接点を積極的に設けるなどの取組を通じて、日系人との関係強化を図っている。 10月、東京において、20か国から約210人の移住者や日系人の代表者を迎え、公益財団法人海外日系人協会の主催による第57回海外日系人大会が盛大に開催された。外務省も岸田外務大臣が歓迎レセプションを開催するなど交流の深化に貢献した。今後も移住者や日系人に対する支援を行うとともに、若い世代との協力を推し進め、これらの人々と日本の間の絆(きずな)を強めていく考えである。