第3章 国益と世界全体の利益を増進する外交 3 国際的なルール作りへの参加 (1)G7・G20サミット 日本が自らの取組を国際社会にアピールし、日本にとって望ましい国際的経済秩序を形成していく場として、G7・G20サミットは引き続き重要な役割を果たしている。 6月に開催されたG7エルマウ・サミット(於:ドイツ)では、2015年が戦後70年、第1回ランブイエ・サミット(於:フランス)から40年に当たることも踏まえ、G7諸国として、自由、主権及び領土の一体性を堅持することで一致した。安倍総理大臣から、G7は自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値に立脚し、国際社会の秩序を支えてきたことを指摘した上で、諸課題に対しグローバルな視点から対応できるのはG7であり、その責任は大きく、ますますG7の連携が重要になっていると発言した。サミットでは、世界経済、エネルギー・気候変動、開発などに加え、ウクライナ・ロシア情勢、東アジア情勢、中東情勢を中心とする外交政策について率直な意見交換が行われた。安倍総理大臣からは、アベノミクスの成果が着実に現れていることに言及し、日本の今後の経済・財政面での取組について説明した。また、5月に安倍総理大臣から発表した「質の高いインフラパートナーシップ」に言及しつつ、グローバルに「質の高いインフラ投資」を推進していくための日本の貢献を紹介した。 東アジア情勢については、安倍総理大臣は、大規模な埋立てを含め東シナ海・南シナ海において緊張を高める動きがあることについて、海洋における一方的な現状変更の試みを放置してはならないと指摘した。また、安倍総理大臣から、北朝鮮による核・ミサイル開発の継続は地域及び国際社会の重大な脅威であること、また拉致は基本的人権の侵害という普遍的な問題であるとして、各国の協力を求めた。 11月のG20アンタルヤ・サミット(於:トルコ)では、強固で持続可能かつ均衡ある経済成長の実現に向けた具体的な取組につき首脳間で率直な意見交換を行い、成果物として各国の個別のマクロ経済政策や成長戦略の現状と今後の計画を記載した「アンタルヤ行動計画」を発表した。また、サミット直前に発生したパリにおけるテロ事件を強く非難するとともに、G20が協調してテロ対策を行うことで一致し、「テロとの闘いに関するG20声明」を発出した。気候変動については、COP21での「全ての国が参加する」新たな枠組みの採択を後押しすることで一致した。 安倍総理大臣から、G20各国には包括的な成長戦略の実施や構造改革の取組強化が求められていることに言及しつつ、女性の活躍推進を含むアベノミクスの進捗、特に新たに発表した「第2ステージ」の取組を紹介し、世界経済の成長へ貢献していく決意を述べた。さらに、大筋合意に至ったTPP協定は成長戦略の核であり、生産性向上や産業活性化などを通じて、日本の成長につながることを期待すると述べた。さらに、安倍総理大臣から、「質の高いインフラパートナーシップ」の進捗状況を簡単に紹介し、日本は引き続き質の高いインフラ投資を推進していくと説明した。 サミットに出席する安倍総理大臣(写真提供:内閣広報室) (2)世界貿易機関(WTO) ア WTOとドーハ・ラウンド交渉の経緯 日本の経済発展は、関税及び貿易に関する一般協定(GATT)及び世界貿易機関(WTO)を中心とする多角的貿易体制に大きく恩恵を受けてきた。その維持と強化はEPA/FTA交渉が盛んに行われている現在も、日本経済再生に向けた日本の貿易政策の柱であり、WTO交渉を通じた貿易自由化の促進、ルール作りの重要性は不変である。一方、ここ十数年余り、交渉の進展は必ずしも順調なものではなかった。2001年に開始されたWTOのドーハ・ラウンド(DDA)交渉(11)では8分野(農業、非農産品市場アクセス、サービス、ルール、貿易円滑化、開発、環境及び知的財産権)の一括妥結を目指してきたが、2008年以降、新興国と先進国との対立などにより交渉は膠着(こうちゃく)状態に陥ってきた。2013年12月の第9回WTO閣僚会議(MC9)において、DDA交渉の部分合意として@貿易円滑化、A農業及びB開発の3分野から成る「バリ合意」が妥結し、多少の進展は見られたものの、新興国と先進国との対立の溝は深く、DDA交渉妥結への道のりはほど遠い状況であった。 イ 第10回WTO閣僚会議(MC10) 12月に開催された第10回WTO閣僚会議(MC10)では、日本が議長国として主導した情報技術協定(ITA)品目拡大交渉が合意された。複数国間の合意とはいえ、参加53か国による201品目の関税撤廃を実現し、WTO加盟国全体に利益をもたらし得る大きな成果となった。また、交渉開始から14年となるDDAにおいては、長きにわたり何らの合意を得られなかった輸出補助金を含む農業分野の輸出競争等に合意できた。これらの合意はWTOの交渉機能が完全に不全となっているわけではないことを示している。 一方、この会議に至るまでの議論で最大の争点となっていたDDAの継続の是非を含む今後のWTO交渉の在り方については、各国の主張の対立からいまだ見通しがついていない。DDAで扱われていた開発を含む8分野の個別の論点も引き続き重要であるが、DDA交渉という枠組みを超えて、時代に即した課題への対応を含め、WTOの交渉機能をいかにして再活性化・強化するかとの観点から、従来とは違った新しいアプローチを検討する必要がある。2016年以降の議論は、各国が合意できなかった要因を分析した上で、建設的に進めていく必要がある。 ウ 有志国による取組 DDA交渉が停滞する中、2011年の第8回閣僚会議以降、有志国による以下の交渉が行われてきた。 (ア)情報技術協定(ITA:Information Technology Agreement)の品目拡大交渉 1997年から実施されている情報技術協定(ITA)(12)に関し、その後の技術進歩により開発された製品など(13)をITAの対象とすべく、2012年から対象品目の拡大のための交渉が行われてきた。その結果、2015年7月に対象となる201品目が確定し、関税撤廃期間の交渉を経て、12月にITA拡大交渉が妥結した(2015年12月末現在、拡大ITAには53の有志国・地域(14)が参加)。この対象品目拡大により、情報技術製品の貿易拡大、情報技術を通じた各国経済の成長・生産性向上の促進が期待される。 (イ)サービスの貿易に関する新しい協定(TiSA:Trade in Services Agreement)交渉 サービス貿易の一層の自由化に向け、米国、EU(28か国)、オーストラリアなどを含む50の有志国・地域(15)(2015年12月末現在)によるサービスの貿易に関する新しい協定(TiSA)交渉が、2013年夏以降本格的に行われている。この交渉に参加する国・地域の間では、交渉対象から特定分野をあらかじめ除外しないこと、時代に即した形でルールを強化してサービス貿易一般協定(GATS)の内容を進化させることなどで一致しており、日本も交渉に積極的に参加している。 (ウ)環境物品に関する協定(EGA:Environmental Goods Agreement)交渉 2014年7月にWTO環境物品に関する協定(EGA)交渉が開始された。この交渉は、2012年にAPECで合意された環境物品リストや2013年のAPEC首脳宣言におけるコミットメント(約束)などを受け、環境関連物品の関税撤廃を目指すものであり、45の有志国・地域(16)によって、これまで11回の交渉が行われている。この交渉により、環境物品の貿易拡大、持続可能な開発が達成されることが期待される。日本は、交渉立ち上げ時から積極的に参加している。 エ 紛争解決(DS:Dispute Settlement) WTO紛争解決制度は、加盟国間のWTO協定上の貿易紛争を紛争解決手続に従い解決するための準司法的制度である。WTO体制に安定性と予見可能性を与える柱として有効に機能しており、1995年のWTO発足以来2015年末までの紛争案件数(協議要請が行われた件数)は501件に上る。近年は紛争案件数の増加や案件の複雑化により、紛争解決制度への負担が増大しており、その対応が大きな課題となっている(17)。日本が当事国である最近の案件には以下のものがある。 アルゼンチンの輸入制限措置(18):1月、上級委員会報告書を受けて、WTOの紛争解決機関はアルゼンチンの措置を違法と認定し、協定に整合的にするようアルゼンチンに勧告した。 中国の日本産高性能ステンレス継目無鋼管に対するアンチ・ダンピング税の賦課措置(19):2月、パネル報告書が全加盟国に配布されたが、日本の主張が認められなかった論点について、5月上訴。10月、上級委員会報告書を受けて、WTOの紛争解決機関は、中国の措置を違法と認定し、協定に整合的にするよう中国に勧告した。 韓国による日本産水産物等の輸入規制措置(20):9月パネル設置。現在、パネル手続が進行している。 ブラジルの税制恩典措置(21):9月パネル設置。現在、パネル手続が進行している。 日本はまた、DDAの一環として行われているDSU(22)改正交渉などにおいて、手続の明確化など、紛争解決制度の更なる改善に向け積極的に貢献してきている。 オ 保護主義抑止・是正の取組 2008年以降、リーマン・ショック、欧州債務危機等を受け、保護主義措置を導入する国が増加している。G7、G20、APECなどでは首脳レベルで保護主義抑止に取り組むことで一致し、政治的コミットメントを行っている。WTOでは、貿易政策検討制度や紛争解決手続を通じた保護主義措置の是正に取り組んでいる。日本は、保護主義抑止・是正に引き続き積極的に取り組んでいく考えである。 (3)経済協力開発機構(OECD) ア 特徴 OECDは、政治・軍事を除く経済・社会の極めて広範な分野(マクロ経済、農業、産業、環境、科学技術など)を扱う「世界最大のシンクタンク」として政策提言を行っているほか、各種委員会・作業部会で行われる加盟国間の議論を通じて、国際的な規範を形成している。日本は、東京オリンピックが開催された1964年に非欧米諸国として初めてOECDに加盟して以降、各種委員会・作業部会での議論や、財政・人的な貢献を通じて、これらに積極的に関わってきている。 イ アジアとの関係強化 OECDは、世界経済の成長センターとしての東南アジアの重要性の高まりを受け、同地域との関係強化を重視している。日本は、加盟50周年を契機に議長国を務めた2014年の閣僚理事会で、安倍総理大臣出席の下、「東南アジア地域プログラム」を立ち上げた。また、2015年3月には、同プログラムの第1回運営グループ会合(於:ジャカルタ(インドネシア))を開催し、ASEAN側代表のインドネシアと共に共同議長に就任するなど、OECDと東南アジアとの架け橋として、関係強化に積極的に貢献し続けている。 グリアOECD事務総長の安倍総理大臣表敬(4月15日、写真提供:内閣広報室) ウ 2015年閣僚理事会 6月、「持続可能な成長と雇用のための投資の解放」をテーマとし、議長国オランダの下、閣僚理事会が開催された。日本は、COP21や「持続可能な開発のための2030アジェンダ」策定に関する国連サミットも念頭に、気候変動に係る日本の貢献策を改めてアピールしつつ、開発に当たっての「質の高いインフラ投資」の重要性を指摘した。また、「東南アジア地域プログラム」の推進に関し多数国から支持が表明され、その機運を更に高めていくことで合意がなされた。2016年閣僚理事会では、チリの議長国の下、ハンガリー、フィンランドと共に、日本は10度目となる副議長国を務める。 エ 各分野での取組 近年、国際的な税制の隙間・抜け穴を利用した過度な節税対策によって、多国籍企業などが本来課税されるべき経済活動があるにもかかわらず税負担を軽減している問題が顕在化している。これに対抗するため、日本が議長を輩出するOECD租税委員会は、2012年に「税源浸食と利益移転(BEPS)プロジェクト」を立ち上げ、2013年には「BEPS行動計画」を取りまとめた。2015年10月には、同行動計画の成果として最終報告書が公表された。日本としてもOECDなどの場で議論に積極的に関与することで、租税に関する国際的な取組を先導している。 オ 財政的・人的貢献 日本は、OECDのI部予算(義務的拠出金)の11.92%(2015年、米国に次ぎ全加盟国中第2位)を負担している。また、OECD事務局のナンバー2のポストである事務次長も歴代務めている。日本は、このような財政的・人的貢献を通じてOECDを支えている。 (4)アジア太平洋経済協力(APEC:Asia-Pacific Economic Cooperation) APECは、各エコノミー(23)の自発的な意思によって、アジア太平洋の持続可能な発展を目指し、地域経済統合と域内協力の推進を図る枠組みである。アジア太平洋地域の21か国・地域から構成されており、これらは世界の人口の約4割、GDPの約6割及び貿易量の約5割を占める「世界の成長センター」である。総貿易の約3分の2が域内貿易であるなどEU並みの密接な域内経済を構成しており、APEC地域の経済面における協力と信頼関係を強化していくことは、日本の更なる発展を目指す上で極めて重要である。また、APEC首脳・閣僚会議は、経済問題を中心に、国際社会の主要な関心事項について首脳・閣僚間で率直な意見交換を行う有意義な場となっている。 フィリピンが議長を務めた2015年フィリピンAPECは、「包摂的な経済の構築、より良い世界を目指して」という全体テーマの下、@地域経済統合アジェンダの推進、A中小企業の地域・世界市場への参画促進、B人材開発への投資及びC持続可能かつ強靱(きょうじん)な地域社会の構築、という4つの優先課題が設定された。11月に開催された首脳会議(於:マニラ)では、「経済統合を通じた包摂的な成長」及び「持続可能で強靱(きょうじん)なコミュニティを通じた包摂的な成長」をテーマに活発な議論が行われ、首脳宣言として「包摂的な経済の構築、よりよい世界を目指して−アジア太平洋コミュニティのためのビジョン−」、附属書として「質の高い成長を強化するためのAPEC戦略」及び「APECサービス協力枠組」が採択され、独立文書として「多角的貿易体制への支持及び第10回WTO閣僚会議(MC10)に関する独立文書」が発出された。 フィリピンAPEC首脳会議(11月18日〜19日、フィリピン・マニラ 写真提供:内閣広報室) 安倍総理大臣は、「経済統合を通じた包摂的な成長」に関するセッションでは、質の高い成長と繁栄にとって「経済面での法の支配の強化」が重要であることを強調するとともに、多角的貿易体制の支持、TPPやアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)、投資環境改善、海洋の連結性を含む地域の連結性強化、質の高いインフラ投資など日本がAPEC内外で実施している具体的な取組を発信した。また、「持続可能で強靱(きょうじん)なコミュニティを通じた包摂的な成長」に関するセッションでは、アベノミクス第2ステージにおける「一億総活躍社会」の実現や女性の活躍推進など経済成長や質の高い成長を図る上で日本が重視する取組について説明しつつ、防災対策、質の高い電力インフラの構築、テロ対策などの取組に積極的に貢献していく考えを表明した。 2016年はペルーが議長を務めることとなっている。 フィリピンAPEC首脳会議の成果     安倍総理発言ポイント 首脳宣言のポイント 経済統合を通じた包摂的な成長 多角的貿易体制の支持 ●自由貿易の礎である多角的貿易体制について、首脳が保護主義抑止の強い決意を示すべきと主張 ●ルールに基づく、透明性のある、無差別で、開かれた、包摂的な多角的貿易体制の強化にコミット。WTO設立20周年の機会に、このコミットメントを更に強化するため、多角的貿易体制の支持及び第10回WTO閣僚会議に関する独立文書を発出 FTAAP ●TPPにより作られる新たな経済秩序は、FTAAPにおいて、ルール作りのたたき台となる旨発言 ●さらなるAPECの地域的な経済統合アジェンダに向けた主要な手段として、FTAAPの最終的な実現にむけたコミットメントを再確認。「FTAAPの実現に向けたAPECの貢献のための北京ロードマップ」の実施に関する取組を称賛し、「FTAAPの実現に関連する課題に係る共同の戦略的研究」の結論及び研究に附属する提言を来年受け取ることを期待 インフラ投資/連結性 ●2015年5月に発表した「質の高いインフラパートナーシップ」について紹介 ●物理的、制度的、人と人の柱の下、「APEC連結性ブループリント2015-2025」の実施の進捗を歓迎。アジア太平洋コミュニティへの我々のビジョン実現のための質の高いインフラ投資及び連結性の重要性を強調 投資環境改善 ●日本が域内の投資環境改善を図るための取組を主導していることを紹介 ●「グローバル・バリューチェーンの発展と協力のためのAPEC戦略ブループリント」の一連の作業の下で行われた進捗を歓迎し、実務者に対し、この作業を更に進展させることを指示 成長戦略/サービス ●フィリピンが主導する成長戦略、サービス分野の議論を支持する旨発言 ●「2010年首脳の成長戦略」を踏まえて、制度構築、社会的一体性及び環境への影響に重きを置いた「質の高い成長を強化するためのAPEC戦略」を採択 ●「APECサービス協力枠組」を承認し、一連の協調行動及び2025年までに達成されるべき相互に合意された目標を採択し、2016年に戦略的かつ長期的な「サービス競争力ロードマップ」を策定するよう指示。製造業関連サービスなどのサービス関連分野の取組を評価 持続可能で強靱(きょうじん)なコミュニティを通じた包摂的な成長 女性の活躍推進 ●女性活躍推進法の整備、APECにおける女性の管理職に占める割合向上に向けた取組等を紹介 ●女性が指導的地位に就くことの促進を含む、具体的で、実行可能かつ測定可能な方法にて、女性の経済への完全な参画を推進することに引き続きコミット 防災 ●「仙台防災枠組」に従い、よりよい復興を支援していく旨発言 ●包摂的で持続可能な発展を支える適応力のある災害に強靱な経済を構築する共同の取組を促進するための「APEC防災災害リスク削減枠組」を歓迎・採択。「仙台防災枠組み2015-2030」に留意 テロ対策 ●テロは経済活動への脅威であり、断固として非難されるべき、乗客予約記録(PNR)の活用等、APECにおける具体的なテロ対策の取組を歓迎するなどを発言 ●テロリストの資金調達と戦うための能力構築を含むテロ対策及び乗客の事前リスク分析やその他の措置の推進を通じた外国人テロ戦闘員の渡航の阻止をAPECメンバーが実施している努力と行動を歓迎 11 正式名称はドーハ開発アジェンダ(DDA:Doha Development Agenda)交渉 12 情報技術製品(半導体、コンピューター、携帯電話、プリンター、FAX、デジタルカメラ(静止画用)等)の関税を撤廃する複数国間の合意(「情報技術製品の貿易に関する閣僚宣言」)。1996年作成、1997年から実施。現在の参加国は日本、米国、EU(28か国)、中国、ロシア等82か国・地域(EUを含む。) 13 デジタルAV機器(ビデオカメラ、DVD・HD・BDプレーヤーなど)、デジタル複合機・印刷機、医療機器(電子内視鏡等)、半導体製造装置等 14 日本、米国、EU、オーストラリア、カナダ、中国、韓国、香港、台湾、シンガポール、イスラエル、トルコ、コロンビア、コスタリカ、マレーシア、タイ、フィリピン、ニュージーランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン、モーリシャス、モンテネグロ、グアテマラ、アイスランド及びアルバニア(EU各国を含めると53か国・地域) 15 日本、米国、EU、オーストラリア、カナダ、韓国、香港、台湾、パキスタン、イスラエル、トルコ、メキシコ、チリ、コロンビア、ペルー、コスタリカ、パナマ、パラグアイ、ニュージーランド、ノルウェー、スイス、アイスランド及びリヒテンシュタイン(EU各国を含めると50か国・地域) 16 日本、米国、EU、オーストラリア、カナダ、中国、韓国、香港、台湾、シンガポール、コスタリカ、ニュージーランド、ノルウェー、スイス、イスラエル、トルコ及びアイスランド(EU28か国を含めて45か国・地域) 17 他の加盟国によるWTO協定に非整合的な措置によって不利益を被ったとする加盟国は、当事国間での協議を要請できる。この協議を通じても紛争が解決されない場合、問題をパネルに付託し、問題とされる措置と協定との整合性についてパネルで争うことができる。パネルによる法的判断に不服のある当事国は、最終審に相当する上級委員会に対して上訴を行い、同判断を争うことができる。1995年のWTO発足時から2015年末までの紛争案件数(協議要請が行われた件数)501件のうち、日本が当事国(申立国又は被申立国)として関わった案件は36件。なお、上級委員会は7人の委員で構成されており、委員の任期は4年(再任一度可能)。日本は1995年のWTO発足以降3人の委員を輩出している。 18 2012年12月、EU及び米国と同時にパネル設置を要請。事前輸入宣誓供述制度、非自動輸入ライセンス及び輸出入均衡要求に関する案件 19 輸出価格が正常価格より低い場合にこれを不当な廉売としてその差額に関税を課す措置。2013年5月、パネル設置を要請。石炭火力発電所のボイラーなどに使用される高付加価値特殊鋼管に関する案件 20 韓国が、2011年3月の東京電力(株)福島第一原子力発電所における事故後導入し、2013年9月に強化した日本産水産物等の輸入規制に関する案件 21 自動車・情報通信分野における国産品を優遇する税制恩典措置、及び輸出企業に対する税制恩典措置に関する案件 22 紛争解決に関する規則及び手続に関する了解(Understanding on Rules and Procedures Governing the Settlement of Disputes) 23 中国香港、チャイニーズ・タイペイを含めたAPEC参加単位