第4章 国民と共にある外交 3 海外移住者や日系人との協力 日本人の海外移住の歴史は145年となり、北米・中南米を中心として、全世界に約319万人(推定)以上ともいわれる海外移住者及び日系人が在住している。移住者及び日系人は、政治、経済、教育、文化を始めとする各分野において各国の発展に寄与するとともに、日本と各在住国との「架け橋」として各国との関係緊密化に大きく貢献している。外務省としては、今後も両者に対する支援を行うとともに、若い世代との協力を推し進め、これらの人々と日本の間の絆を強めていく考えである。2013年10月、24の国・地域から約180人の移住者や日系人の代表者を迎え、公益財団法人海外日系人協会の主催による第54回海外日系人大会が盛大に開催された。歓迎交流会には、秋篠宮同妃両殿下が御臨席になった。 約178万人の移住者及び日系人が在住している中南米諸国では、外務省はJICAと共に、移住者の高齢化に対応する福祉支援、日系人を対象とした日本国内への研修員受入れ、現地日系人社会へのボランティア派遣などの協力を行っている。2013年1月、ドミニカ共和国において移住記念碑が建立され、落成式には若林外務大臣政務官が出席した。また、北米や中南米においては、各国・地域の様々な分野で指導的立場にいる日系人を日本に招へいするプログラムが実施されている。これらの地域では、例えば日系人指導者と在外公館長との間で二国間関係強化の方途を話し合う会合を開催したり、日本からの要人訪問の機会に日系人との接点を積極的に設けるといった取組を通じて、日系人との関係強化を図っている。