3 外交における有識者等の役割 国際社会において、国際問題に関する民間有識者間の意見交換(政府間協議をトラック1協議と呼ぶことがあるのに対し、トラック2協議と呼ばれる)及び政府職員と民間有識者双方が参加して行う意見交換(トラック1.5協議)など、民間の有識者を交えた意見交換が活発化している。その背景として、国際的な課題を検討するに当たって、政府関係者のみならず、経済界や大学等の研究者が有益な知見を持ち、また、国際世論の形式に影響力を持っていることが挙げられる。 対外政策を決定するに際しては、政策立案の過程から民間の有識者の様々な考え方を活用することで、効果的に政策を立案することが可能になる。また、民間の有識者から政府間の協議より踏み込んだ意見を聞いたり、議論をしてもらうことで、情報交換の幅も広がるという利点もある。 日本の外交・安全保障関係のシンクタンクや大学等の研究機関も、海外のシンクタンクや有識者と独自に交流を行っているほか、各国・地域政府の関係者とともに意見交換の場に参加する機会が増えており、その役割はより一層拡大している。外務省は、このような活動を行うシンクタンクに対する支援を行っており、外交を展開する上で、シンクタンク等民間の知見を積極的にいかしていく考えである。