第2節 北米 総 論 日米両国は基本的価値及び戦略的利益を共有する同盟国である。日米同盟は、日本の外交・安全保障の基軸であり、アジア太平洋地域のみならず、世界の安定と繁栄のための共有財産である。日米安全保障体制(日米安保体制)を中核とする日米同盟は、戦後60年以上にわたり、日本及び極東に平和と繁栄をもたらしてきた。 また、日米両国は、二国間やアジア太平洋地域の課題のみならず、アフガニスタン・パキスタン支援、イランの核問題、気候変動や核軍縮・不拡散など、国際社会が直面するグローバルな課題への対応でも協力し、世界の安定と繁栄に寄与している。 冷戦終結後の今日もアジア太平洋地域には不安定な要素が依然として存在しており、日米同盟の深化は喫緊の課題である。安全保障、経済、文化・人材交流を三本柱として、日米同盟を21世紀にふさわしい形で更に深化・発展させていくことで、6月の菅政権発足以来、日米両首脳間では幾度にもわたり一致してきている。2011年前半の菅総理大臣訪米の機会に、21世紀の日米同盟のビジョンを共同声明のような形で示すために、両政府間で議論を深めている。 日本とカナダは、基本的価値を共有するアジア太平洋地域におけるパートナー及びG8のメンバーとして、政治、経済、安全保障、文化など、幅広い分野で緊密に協力している。2010年は日本がアジア太平洋経済協力(APEC)、カナダがG8・G20の議長であったこともあり、日加間の首脳、閣僚レベルの要人往来も活発であった。特に、11月の横浜APEC首脳会議の際の日加首脳会談では、両国の安全と繁栄は、アジア太平洋地域及びそれを超える地域の安全な未来と関連しているとの認識の下、両国首脳が、「政治、平和及び安全保障協力に関する日加共同宣言」に署名した。これにより、平和・安全保障分野での協力関係を含め、更に幅広い分野での協力関係を拡充・発展させていくことが確認された。 日米首脳記者会見での菅総理大臣(右)とオバマ米国大統領(11月13日、横浜 写真提供:内閣広報室)