2 海外広報戦略 【諸外国の国民の理解と日本のイメージの向上】  日本の国益に資する海外広報を行うにあたっては、個別具体的な政策についての情報を発信することのみならず、これらについての諸外国における理解を助ける日本の実情についての的確な知識を扶植し、また日本に対する好ましい感情や良好なイメージを形成することが重要である。外務省では、こうした目的意識のもとに、パブリック・ディプロマシーの考えを導入して諸外国の国民に対して直接に日本のイメージ、実情、諸政策に関する情報を投射するための総合的な情報発信力の強化に努めている。具体的には、各地域の対日関心の程度、関心の対象等を把握すべく対日世論・報道を調査・分析し、これを踏まえて広報する内容や効果的な媒体を検討した上で地域別、国別に広報戦略を立てるとともに、文化交流事業との連携によりその広報効果を高める措置を講じている。例えば政府は、日・イラク親善サッカー試合やアテネ・オリンピックに際し、イラクに対するスポーツ交流・支援の実施と日本の対イラク友好親善の姿勢や対イラク人道復興支援についての情報発信を組み合わせてイラク一般市民や周辺諸国民に強くアピールした。