【G8サミット】  2004年6月8〜10日、米国で開催されたG8シーアイランド・サミットでは、中東情勢への対処を中心に、G8としての協調が試される機会となった。喫緊の課題であったイラク問題に関しては、サミットの開幕当日にイラクへの主権移譲等に関する国連安保理決議1546が全会一致で採択されたことを受け、イラク暫定政府への支援を含むG8としての協力が確認された。また、中東地域を広くとらえ、この地域の中長期的な安定を図るとの観点から、「拡大中東・北アフリカとの前進と共通の未来に向けたパートナーシップ(BMENA)」(詳細は138ページ参照)が採択され、具体的な改革支援計画もまとめられた。さらに、伝統的なサミットのテーマである世界経済情勢についての議論に加え、不拡散やテロ対策、開発等の幅広い分野で、G8としての更なる取組に合意した(注17)小泉総理大臣からは、5月に行われた訪朝の説明を行い、北朝鮮に関する首脳間の議論を喚起したほか、3つのR(Reduce、Reuse、Recycle)の推進を通じて地球規模での循環型社会の構築を目指す3Rイニシアティブを提案し各国から支持を得るなど、積極的に議論に参加・貢献した。また、非G8諸国との対話として、中東諸国及びアフリカ諸国とそれぞれ対話を行い(注18)、首脳が直接に意見交換を行う貴重な機会となった。