6 紛争への包括的取組 【総論】  冷戦終了後も現在に至るまで、宗教的・民族的要因に根ざした紛争、特に国内紛争が頻発している。このような紛争を恒久的に解決するためには、紛争の終結した地域を再び紛争に後戻りさせず、地域の安定を確保し、さらに、発展につなげることが重要である。そのためには、国際社会が一致して、1)和平プロセスの促進、2)国内の安定・治安の確保、3)人々の平和な生活の回復(人道・復興支援)の三つの要素にわたる「平和の定着」に向けた努力を推進していくことが必要である。このような認識から、日本は、外交と国際協力の一つの柱として「平和の定着と国づくり」を掲げ、ODAをはじめとする外交手段を活用し、国連、各国、NGOとともに具体的な取組を行っている。  また、この分野での人的貢献の基盤拡充のため、2002年12月の「国際平和協力懇談会」(注24)の報告書で、「専門的な人材の養成・研修・派遣体制を整備する」ことが提言されたことを受け、政府は「国際平和協力分野における人材育成検討会」を2003年10月から2004年4月にかけて開催した。同検討会は、国際平和協力分野、例えば、紛争防止・再発予防、緊急人道援助、復興・開発支援等の分野に含まれる様々な課題に対して日本が人的貢献を行っていくために必要な人材育成のメカニズムを幅広く検討し、具体的な行動計画(注25)を作成した。