【太平洋島嶼国】  2004年には、パラオ(11月)、ナウル(10月)でそれぞれ総選挙が、バヌアツでは総選挙(7月)及び大統領選挙(8月)が行われた。バヌアツでは、総選挙でボオール内閣が誕生したが、首相が独断で台湾との外交関係を開設しようとしたことから国内の反発が高まり、12月に内閣不信任決議が可決され、リニ首相が新内閣を発足させた。現在、台湾と外交関係を有する太平洋諸島諸国は、キリバス、マーシャル、パラオ、ソロモン、ツバルの5か国となっている。  ソロモンでは、2003年7月、民族間紛争に端を発する法秩序と治安の悪化が深刻化し、ソロモン政府の要請を受けて、オーストラリアを中心としたPIF加盟国が、ソロモン地域支援ミッション(RAMSI)を派遣し、治安は大幅に回復しつつある。ソロモンの復興に向けて、日本はオーストラリア、ニュージーランド等他のドナーとも協力しつつ、様々な支援を行っている。  フィジーでは、2001年の民主的選挙により成立したガラセ政権に対し、主要な野党議員を入閣させない状況は憲法に違反するとの最高裁判決が2003年7月に下されて以来、閣僚ポスト数を巡る論争が続いていたが、11月、最大野党である労働党が内閣に加わらないとの決定をしたことで解決した。また、ミクロネシアとマーシャルは米国と自由連合盟約(コンパクト)(注49) 改訂に合意した。ツバルは、6月に国際捕鯨委員会(IWC)に加盟し、ソロモン、パラオに続き地域において3番目の加盟国となった。  日本は、2003年5月に沖縄で開催された第3回日・PIF首脳会議(太平洋・島サミット)(注50)において採択された「より豊かで安全な太平洋のための地域開発戦略及び共同行動計画(沖縄イニシアティブ)」を着実に履行している。2004年に行われたPIF域外国対話(8月、サモア)には阿部副大臣が出席し、上記履行状況につき説明を行ったのに対し、PIF各首脳から謝意が表明された。 ▲第16回太平洋諸島フォーラム(PIF)域外国対話に出席する阿部外務副大臣(8月