【スリランカ情勢と日本外交】  スリランカにおいては、前年末から続いていたクマーラトゥンガ大統領とウィクラマシンハ首相の対立が解消されないまま、2月に至り、同大統領は国会を解散した。4月には総選挙が実施され、同大統領率いる統一人民自由連合(UPFA)が勝利した結果、それまでの大統領と首相の所属政党が異なるといういわゆる「政治的ねじれ現象」は解消された。一方で、和平プロセスについては、UPFA政権内での立場の相違、タミル・イーラム解放の虎(LTTE)内の混乱、相互の不信感等により、和平交渉の再開の見通しが立たない状況が引き続き継続している。  日本は、「平和の定着」に貢献するとの観点から、従来より、明石康政府代表や川口外務大臣(当時)等の政府要人の訪問や和平交渉の開催(2003年3月)、「スリランカ復興開発に関する東京会議」の開催(同6月)を通じて、スリランカの和平プロセスを積極的に後押ししてきた。日本は、4月の総選挙の際に選挙監視団を派遣し、また、交渉再開を巡る現在の状況を打開すべく、2月と6月には東京会議4共同議長国会合を開催したり、4月の総選挙後には明石政府代表がいち早くスリランカを訪問し、関係者と意見交換を行うなど、引き続き粘り強く働きかけを行っている。 ▲ラージャパクサ・スリランカ首相と会談する福島外務大臣政務官(12月)