マリナーズ長谷川選手へのインタビュー Q. 日本のもの、あるいは日本人そのものが海外で注目を浴びて、日本に行ってみたい、日本のことをもっと知りたいというように、日本に対する親近感が増し、国際交流が促進される機会が近年だんだん増えてきています。実際に長谷川選手が大リーグに来られてから、その結果日本に興味をもつファンの方が増えたわけですが、日本の好感度が上がったのではないかというような経験があれば教えて下さい。 A.野茂投手や僕は、それほど大リーグの野球を変えたとは思っていませんが、松井選手や守備のうまい新庄選手やイチロー選手によって、日本の野球というものを見せつけたと思っています。大リーグの選手もとても日本に興味を持っていて、日本の野球のレベルもまずまず高く、お金もきちんと払ってくれる、文化もあまり米国と変わらないという理由から、米国人の選手が非常に興味を持って僕らに日本のことを聞いてくることがあります。例えば、チームメイトの一人は昨年(2004年)、日本ではプレーをしたくはないけれども、チームとして来日してみたい、シーズンの最初の時期に行くというのは大変なんですが、そういった問題とは関係なく日本という国を見てみたいと言っています。また、ラストサムライ等の映画が流行したこともありますし、そういう意味では、僕は逆に日本が経済面ではなく、観光や文化面において注目されていると思います。 Q. 日本人が日米をはじめ世界の様々な文化に触れることを通じて、どのような日本、あるいは日本人になっていってほしいと思いますか。 A.同じ米国でも、シアトル、ロサンゼルス、ニューヨーク、ハワイでは、訪れた時の感触や文化が異なります。そういった異文化に触れることで、自分自身がすごく高まるのがわかります。遊び、勉強、仕事、目的は何でも構いませんが、とにかく外に出て実際に自分の目で見ることによって、もっと異文化について勉強でき、世界の見方が変わると思います。文化というものは外に出て行って、自分の国に持って帰ることで初めて新しいものが生まれると思いますので、そういうことが出来る人がどんどん出てくれば、野球に関しても一般の世界に関しても、日本の文化もいい方向にいくと思います。 (写真:Ben Van Houten撮影、提供:シアトル・マリナーズ)