第3章 分野別に見た外交


【米軍のグローバルな軍事態勢の見直し】
 冷戦が終結して以来、米国をはじめ日本を含むいわゆる西側諸国がかつて直面した旧ソ連という脅威は消滅した一方で、国際テロ、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散など、抑制力が効かない、非対称で、より予測が困難な新たな脅威が顕著化している。米国はこのような新たな安全保障環境における課題に対処し得るよう、軍事技術の進展を活用しつつ、より機動性の高い態勢を実現することを目標に米軍の全世界的な軍事態勢の見直しを行っており、日本を含め、同盟国、友好国等と緊密に協議してきている。日本とは、2002年12月にワシントンで開催された日米安全保障協議委員会(「2+2」会合)(155ページの図表「安全保障に関する日米間の協議の場」参照)において、新たな安全保障環境における日米両国の防衛態勢を見直すことを含めて、両国間の安全保障に関する協議を強化することが決定されて以来、緊密な協議が継続されてきている。2004年7月には、川口順子外務大臣(当時)が訪米し、パウエル国務長官と会談したことに続き、10月には、町村孝外務大臣が訪米し、パウエル国務長官及びラムズフェルド国防長官と会談し、在日米軍の再編に関する緊密な協議を継続していくこと確認した。また、日米首脳レベルでも、2004年9月の国連総会及び11月のAPECの際に緊密な協議を行った。これらの協議を通じて、日米両国間では、在日米軍の有する抑止力を維持しつつ、沖縄をはじめとする地元の過重な負担の軽減につながるよう努力していくとの認識を確認してきている。

 



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