【情報の収集・分析体制の強化】  現在の流動的な国際情勢の中で、日本が国益を守り強靱な外交を行っていくためには的確な情報収集・分析を行うことが不可欠である。特に、2001年9月に発生した米国同時多発テロ、最近のイラク情勢や北朝鮮の核をめぐる問題といった事態を踏まえ、その必要性はますます高まっている。  外務省は、従来から、在外公館を中心とするネットワークを活用して幅広い分野での情報収集及び国際情勢の総合的な分析に取り組んでいるが、客観的な情勢判断のためには政策的視点にとらわれない情報収集・分析が必要との認識の下、政策部門と分離・独立した形で情報を専門に扱う組織として1993年、国際情報局を設置した。今般の外務省改革では、刻々と変化する国際情勢に迅速かつ柔軟に対応するため、情報組織としての機構のあり方を見直し、現状の課単位での縦割り構造の局・課体制から、課の垣根を取り払い専門知識を有する人材を組織全体でプールし、案件に応じて必要な人材を臨機応変に組み合わせることができる分掌官組織(注1)へと改編・強化する予定である。対外インテリジェンスの分野での機能も拡充・強化しつつある。  さらに、2004年以降、情報収集の手段を多角化する一環として日本政府が導入した情報収集衛星の活用を始めたほか、地域専門官の活用、外部専門家の採用を推進している。また、政策部局との連携も深めている。 (注1)国際情報統括官(局長級分掌官)の下4人の国際情報官(局長級分掌職を助ける課長級の職)を置く体制;現状は国際情報局長の下での3課体制。