第7節 アフリカ 【総論−人類発祥の地・アフリカ】  2003年6月、約16万年前の最初期のホモ・サピエンス(現代人)の化石がエチオピアで発見されたと発表された。こうした古人類学上の様々な発見が相次ぐアフリカは「人類のゆりかご」と呼ばれている。人類を生み育んだ母なる大地であるアフリカは、豊かな自然や天然資源を擁し、大きな可能性を秘めた大陸である。  しかしながら、現在のアフリカは、紛争、難民、飢餓、エイズ(HIV/AIDS)などの多くの深刻な問題を抱え、苦難に直面している。このような中、近年、国際社会は国際機関やG8プロセスなどを通じてアフリカ問題解決に向けた取組を強化している。2000年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)は、このようなアフリカの現実と課題を主な背景とした国際社会の取組の具体例である。一方、アフリカ内部においても、民主化や平和の定着に向けたプロセスの進展、「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」やアフリカ連合(AU)といった自助努力(オーナーシップ)の芽生えが見られている。  日本は「アフリカ問題の解決なくして、21世紀の世界の安定と繁栄はない」との考えから、1993年に開始したアフリカ開発会議(TICAD)プロセスを通じて、アフリカ開発へのリーダーシップを発揮してきた。TICADプロセスの10周年にあたる2003年には、アフリカ23か国の首脳と80人に上る閣僚をはじめ1,000人以上の出席者を得て、東京で第3回アフリカ開発会議(TICADIII)を開催し、日本の対アフリカ外交において重要な節目の年となった。