【インド情勢と日本外交】  インドは、1991年の経済自由化以降、GDPが年平均6%を超える勢いで成長しており、こうした中で2003年も引き続き欧米諸国、アジア諸国との間で経済分野を中心に関係を強化し、国際社会における存在感を強めている。特に、中国との関係では、6月にバジパイ・インド首相が訪中し、「インド・中国の関係及び包括的協力の原則に関する宣言」を発出し、経済交流の拡大や政治分野での対話の促進に合意した。また、ASEANとの関係では、10月にインドネシアのバリで行われた第2回インド・ASEAN首脳会合において「インド・ASEAN包括的経済協力のための枠組み協定」、「東南アジア友好協力条約」等に調印し、経済関係を中心に関係拡大に意欲的に取り組んでいる。  日本との関係では1月に川口外務大臣が訪問したほか、4月にはミシュラ・インド首相首席補佐官が訪日し、5月には石破防衛庁長官がインドを訪問する等、活発な要人往来が行われた。また、12月には東京で、日本、インド、米国及び中国からの有識者を招いて公開シンポジウム「インド:台頭するグローバル・パワー−新時代の日印協力戦略」が開催された。