2 中国とその近隣地域及びモンゴル国 (1)中国 【総論】  2003年は日中平和友好条約締結25周年にあたり、2002年の日中国交正常化30周年に引き続いて一連の行事や交流活動が行われたほか、各分野における活発なハイレベル往来を通じて両国国民間の相互理解・相互信頼は大きく深まった。また、日中間の経済関係も、2001年末の中国のWTO加盟以後、拡大と深化を続けており、2003年の貿易総額は1,300億ドルを超え、史上最高額を更新した。  日本は、日中関係を最も重要な二国間関係の一つとして重視しており、「平和と発展のための友好協力パートナーシップ」(注3)の下、様々な分野における協力を一層推進してきている。近年、日中間の相互依存関係はますます深化しており、中国との間で安定した友好協力関係を築いていくことは、日本の平和と繁栄にとって極めて重要である。国際社会の中で大きな影響力を有している日中両国が、単に二国間の利益を図るのみならず、アジア太平洋地域ひいては世界の平和と繁栄のため互いに協力し、「未来志向」、「利益共有型」の日中関係を推進していくことが求められている。  今後とも、日本としては、日中両国の間で、両国間に存在する個々の問題の解決を図りつつ、二国間関係の基礎を一層堅固なものとしていくとともに、国際社会における協力関係を一層強化していくことによって、国際社会の平和と繁栄に貢献していく考えである。 (注3)1998年の江沢民(こうたくみん)国家主席訪日の際、日中共同声明、日中平和友好条約に示された諸原則を再確認するとともに、21世紀に向けた日中間の協力関係の強化を盛り込んだ「平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に向けた日中共同宣言」が発出された。同「宣言」と同時に発出された「共同プレス発表」では、首脳レベルの対話、地域問題(朝鮮半島情勢等)、環境保護協力等33項目に及ぶ具体的な協力事項を明記している。