【児童・女性】
日本は、近年、児童の人権に関する取組を強化している。2003年2月には、国連児童基金(UNICEF)との共催の下、児童の商業的性的搾取という大きな問題である児童の人身取引(トラフィッキング)に関するシンポジウムを東京にて開催した。このシンポジウムでは、問題が深刻化している東南アジア諸国のNGOを招待し、問題の現状、今後の取組のあり方について幅広く議論した。また、日本政府は、UNICEFがミャンマーにおいて実施する取引(トラフィッキング)対策プロジェクトに47万ドルを拠出し、その取組を支援した。
開発途上国の中には、女性や子どもを苦しめる伝統的悪習慣が依然存続しているところもある。これら悪習慣の一つであり、女性の健康を害し、その権利を侵害する女子性器切除(FGM)問題を、日本は、スーダン、UNICEF共催による「FGM撲滅に関するシンポジウム」にて取り上げた。ハルツームで開催された同シンポジウムは、スーダン、現地関係機関、NGO及び住民の意識理解を深め、本件問題の撲滅に向けた同国政府や国民の強い意志を喚起することに成功した。日本はこのイニシアティブがスーダンのみならず同様の習慣を持つ周辺諸国にも波及し、撲滅に向けての動きが広がるなどの良い影響をもたらすことを期待するとともに、今後も支援を継続する考えである。