「4年毎の国防計画の見直し(QDR:Quadrennial Defense Review)」(2001年10月1日国防総省公表):
今日の安全保障環境に関する認識として、(i)テロ、ミサイル、サイバー、生物・化学攻撃などの非対称脅威が増大している、(ii)地域的には中東から北東アジアにかけて、特に東アジア沿岸部は不安定な地域である、(iii)軍事における革命(RMA)により宇宙・サイバー空間での軍事競争が始まる可能性があるとしている。
米国防戦略の基本方針として、(i)国土防衛の重視を軍の最優先事項とする、(ii)前方抑止(deter forward)を重視して同盟国や友好国と協力して前方展開を維持する、(iii)非対称脅威に対処する、(iv)軍隊の変革が必要であることを記している。
以上のような認識と方針の下、具体的には、従来の西欧及び北東アジア重視の態勢を見直し、他の地域における基地・駐留を強化すること、米軍の訓練のための海外施設へのアクセスを確保すること、輸送や事前集積などによりアクセスのない地域への機動性を確保することを挙げている。このような見直しに伴い、西太平洋における海上プレゼンスの増大、緊急基地の増加の検討、太平洋及びインド洋の空軍基地の増加、海兵隊の事前集積及び高速海上輸送の研究・開発といった措置をとることにしている。