VI.アフリカ
カメルーンにおいては、民主化のプロセスが継続したが、現状は、民主化に程遠く、三権分立の確立、地方分権化及び基本的人権の制度的保障を含む憲法改正と政治改革が不可欠である。地方選挙については、92年以来、大統領権限によって度々引き延ばされているが、11月ビア大統領は演説の中で95年中の実施を確約した。カメルーン経済は、石油価格の低迷などにより、最近3-4年の間に急激に悪化している。93年の経済成長率は、マイナス2%台と予測され、94年予算も、大幅な赤字となる見通しである。1月の為替レート50%引下げにより、インフレが進んでいる。また、全般的経済停滞に伴って、外国援助も減少し、都市部での失業が増加している。
援助については、仏が旧宗主国としての立場からカメルーン援助を続けているほか、IMF、世銀、ECが構造調整を条件とした融資を実行している。ほかの先進各国からの援助は人道目的の無償援助に限定されている。米国は、民主化・人権について満足できる状況にないとして、カメルーンの米国国際開発援助庁事務所を閉鎖した。