VI.アフリカ

 93年12月の大統領選挙について、開票結果の不正を唱える野党側は政府との対決姿勢を崩さず、また、1月中旬CFAフランの50%切下げを契機に暴動が発生するなど、政治的・社会的緊張が高まった。94年3月以降に政府側が挙国一致内閣組閣のための与野党会議の開催を呼びかけた結果、9月、パリにおいてフランス、米国、アフリカ統一機構等をオブザーバーとして政府と野党間の交渉が開始された。10月には(あ)選挙法の改正、(い)民主主義のための暫定政府の設立、(う)18か月後の国民議会選挙の実施等に関する「パリ合意」が成立し、11月初めにはガボン史上初めての保革連合内閣が発足し、内政は急速に安定化の方向に向かっている。
 一方、ガボン政府は財政支出の抑制を軸に経済再建に努めているが、対外累積債務は高い水準にあり(92年残高約30億ドル)、経済状況は依然厳しいものがある。政府は、3月CFAフラン切下げに対処するためIMFとの間で構造調整計画に合意し、4月パリ・クラブの場においても債務繰延べが承認された。
 外交面では、中部アフリカ首脳国会議、第5回アフリカ諸国蔵相会議及びフラン圏諸国首脳会議のガボン開催等を通じ、中部アフリカにおける地域リーダーとしての地位を更に強化した。

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