VI.アフリカ
94年はローリングス大統領が、より政治的な安定感を増した年であった。ノーザン州の部族抗争も収束しつつあり、経済自由化政策も進行している。野党側にも同大統領の指導振りを評価する声が出始めており、相当数の野党支持者が与党支持に回ったと言われている。
経済面では、通貨セディの為替相場の下落により、インフレ率の上昇は著しいが(20%を超える見込み)、国際収支はほぼ均衡を保ち、94年度のGDP成長率は5%程度と予想されるなど、経済状況は総じて好調である。これは、過去数年間に金の生産量が倍増し、従来のココアに代わり、金が最大の外貨収入源になったことが主要因と考えられる。
外交面では、南アフリカ、イスラエルそれぞれとの外交関係の樹立、隣国トーゴとの国境再開など、対外関係の多角化、修復に着実な進展を見た。リベリア内乱の調停についても、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)議長国として積極的に貢献し、12月、一応の和平成立にまでこぎつけさせた。なお、日本は、ガーナの最大援助国となっている。