VI.アフリカ

 経済再建を優先課題とするラボニ内閣は、IMF・世銀から構造調整融資を得るため、その前提条件として提示された施策の一部(自由変動相場制及び付加価値税の導入)を実施に移したが、その後、両機関との交渉は、内閣不信任案の国会提出(3分の2以上の反対投票で否決)、内閣改造等でマダガスカル側の交渉体制が不安定になったことに加え、いわゆる「平行融資」問題(一部の政治家及び企業家による、伝統的な機関とは異なる民間ルートからの融資を求めようとする動き)が発覚したことにより、事実上棚上げ状態となっている。第2次ラボニ内閣は、IMF・世銀との関係を重視し早期の融資実現を図るとの立場を明らかにしているが、そのためには、国民の不満を和らげつつ、国営銀行2行の民営化、石油製品補助金の見直しなどの融資の前提条件を満たすとともに「平行融資」推進派を懐柔する必要があり、首相の政治手腕が問われている。
 外交面で特に注目されたのは、ザフィー大統領の中国訪問(7月)であり、5,000万元の無利子借款協定(返済期間10年)が調印された。

目次へ