VI.アフリカ

 複数政党制への移行に伴い12の政党が国会議員補欠選挙及び統一地方選挙に参加したが、一党制の下で全国的な組織と経験を有する与党革命党の圧倒的優位は揺るがず、野党の不満が高まっている。
 経済分野では、外国為替インターバンク市場の開設、公務員の削減、民営化などが進捗したものの、93年末からの深刻な干ばつにより、94年は経済成長率の大幅な低下が予想される。また、貿易・財政赤字、インフレ、失業、低い賃金水準など課題は多く、世銀・IMFは融資を中断、11月末に予定されていた援助国会合は歳入支援問題で延期された。このように順調に進められてきた構造調整政策は、微妙な段階にさしかかっている。
 対外関係面では、近年は近隣アフリカ諸国との善隣友好、域内協力を重視するとともに、日本、欧米との関係増進に努めている。ルワンダ紛争については、和平の仲介努力を行うとともに、ルワンダ・ブルンディ両国難民約60万人を受け入れている。また、5月に南アフリカと外交関係を樹立した。
 日本との関係については、タンザニアは、日本の対アフリカ援助重点対象国(無償資金協力域内第1位、技術協力域内第2位)で、多岐にわたり実績を上げている。

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