V.中近東
94年は、政府は雇用機会の創出と経済活性化という二大最優先課題に最大限の努力を払った。しかし、失業率の改善は見られず、9月には失業青年が職を求めて労働社会省に押しかけ、12月には騒擾事件へと発展した。
また、原油価格の低迷が続く中、政府は財政健全化に努力し、民営化や外国企業誘致を推進し、その結果、ハイテク分野を中心とする米国系企業が多数バハレーンに進出した。
対外関係においては、GCC諸国との連帯強化による、湾岸の安全保障確保に外交の最重点を置いている。12月には湾岸協力理事会(GCC)議長国として第15回首脳会議を主催し、従来取り上げられることのなかった国境問題、イスラム過激主義等の新たな議題の討議を通じてGCCの団結強化に向けイニシアティヴを発揮したほか、米国や近隣諸国との軍事演習を通じた湾岸の安全保障確保に努めた。また、10月には中東和平多国間協議第6回環境作業部会を主催し、「バハレーン環境行動規範」の作成に尽力するなど中東和平に貢献した。なお、カタルとの国境問題は国際司法裁判所を舞台として争われている。
11月には、皇太子同妃両殿下がバハレーンを公式訪問された。