IV.欧州
ソ連の崩壊は経済面でもウズベキスタンに多大の影響を与え、依然工業生産では10%以上、個別企業では20~50%程度の生産縮小が発生していると見られ、社会、政治不安の原因となっている。
一方、この混乱の中、ウズベキスタンはカリモフ大統領の強力な指導体制の下、混乱を極力おさえ、明確な青写真の下、国家建設を実施している。具体的には、民営化と外資導入により、世界6番目程度の生産量を有する金の増産、その他鉱物資源生産、石油・ガスの自給確保、綿花輸出の拡大と製品化を最優先としている。既存企業の民営化は進んでいないが、外資に関しては、ドイツ、韓国、マレイシア、米国等が積極的にウズベキスタンに参加している。
国内政治においては、近隣のアフガニスタン、タジキスタンの混乱、イスラム原理主義進出の可能性、旧支配層であるロシア系住民のウズベク化路線への不満等の不安定要因の中、慎重に民主化を進めている。
対外関係に関しては、ロシアからの実質的独立の意向は固く、まず経済的独立の基礎を築いている。この関係で、経済的発展を支援してくれる国として、ドイツ、日本、米国、韓国等を重視している。ただし、ロシアの安全保障面での支持を必要としており、この分野でロシアとの関係悪化がないよう苦心している。
日本との関係に関しては、カリモフ大統領の訪日等関係が大幅に進展している。特に、経済面での重要分野である石油・ガス開発分野での協力や人道支援、文化面での交流に前向きな動きが見られている。