III.中南米
94年は、人民国家運動党(PNM)のマニング政権の5年の任期の中間の年に当たり、同政権への支持率に陰りが見られるようになった。そして同年3回にわたって行われた下院議員の補欠選では、PNMの1議席に対し、野党の統一国民会議(UNC)が2議席を獲得した。
経済面では、92、93両年にわたるGDPのマイナス成長がプラスに転じ、政府の推計では94年には4%の成長を達成したものと見られている。今後経済が順調に回復基調に乗れば、野党が党内紛争を抱えるなど、党勢を十分に結集出来ないこともあり、今後政府与党が支持率を回復する可能性が出てきた。
対外関係では、政府は3月にNAFTA加盟の申請を行い、その加盟に
意欲を見せている。ハイティPKOにはカリコム部隊の要員として51名
の兵士を派遣する等、ハイティ問題解決のため積極的な協力姿勢を示した。
日本との関係においては、石油汚染対策、漁業訓練センター等日本の技術協力において進展が見られ、また本邦企業がLNGプロジェクトの基本設計を受注するなど、両国関係は着実に緊密化の方向に向かっている。