I.アジア及び大洋州

 94年は、ラオスにとって、政治的安定の中、引き続き着実な経済的発展を収めた年であった。例年の如く、天候不順による若干の稲作不振はあったものの、増大する外国援助、外国投資に支えられ、経済成長率5.9%、インフレ率6.3%となり、ここ数年の改革の成果が民生向上に結実している。今後の課題は、老齢化する指導層の世代交替の実現とともに、隣接諸国の影響を受けて経済過熱を起こすことのないよう堅実な政策運営を維持することにあろう。
 対外関係については、隣接諸国等との要人交流などによる外交努力の結果、外国援助の導入も順調で、6月のジュネーヴ円卓会議では94年から97年にかけての援助として7億8千万ドルを取り付けた。また、外国民間投資も460件、7億ドルに達し、輸出も2億ドル(93年)に止まっ ている。
 日本との関係では、日本は93年実績約4,300万ドルと最大援助国の地 位を維持している(2位スウェーデンの約2倍)。一方、日本からの投 資は、上記460件中8件のみであり、ラオス側から、一層の投資拡大が 要請されている。

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