2.我が国と中近東地域との関係

(1)我が国は,従来より経済・技術協力を通じ中近東諸国の発展に貢献する一方,人的交流・文化交流の強化を通じ相互理解の増進に努めてきた。85年において,我が国は,かかる努力を引き続き行うのみならず,中東和平問題,イラン・イラク紛争等の早期平和的解決に向けての環境造りを継続するなど,政治面においても積極的な対中東外交を展開し,特に,同年7月には安倍外務大臣がジョルダン,シリア,サウディ・アラビアを訪問し,各国首脳及びアラファトPLO議長と会談した。これらの会談においては,先方より我が国の中近東における積極的な政治的役割に期待が表明されるとともに各国の国造りのための経済協力に対しても強い期待感が表明された。

(2)85年の我が国の中近東諸国との貿易は,輸出が130億ドル,輸入が302億ドルで我が国の大幅な入超となっている。これは,近年石油需給関係が緩和しているとはいえ,現在も我が国が原油の輸入先として中近東諸国に大きく依存している結果である。

一方,対前年度比では,輸出は14.7%減,輸入は9.3%減となっているが,これは石油の需給緩和の下で産油国を中心に財政事情が悪化し,我が国よりの製品・プラント輸出が低迷しているためである。

<要人往来>

<貿易関係>

<民間投資>

<経済協力(政府開発援助)>

 

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