5.その他の主要機関を通ずる協力

(1)国際農業研究協議グループ(CGIAR:Consultative Group on International Agricultural Research)

CGIARは,開発途上国にとって重要な意味を持つ農業開発・食糧問題に長期的かつ組織的に対処するため,農業研究の促進を目的として71年に設立された国際的フォーラムであり,その傘下には「緑の革命」で有名な国際稲研究所(IRRI)をはじめ,13の国際農業研究機関があるCGIARのメンバーは,我が国を含む24か国及びその他国際機関等14団体であるこのCGIARに対し,我が国は84年度約28億円の拠出を行った。

(2)アジア生産性機構(APO:Asian Productivity Organization)

APOは,アジア諸国の生産性向上を目的として61年に設立された国際機関で,84年度末現在,我が国ほか,14か国2地域が加盟しており,事務局は東京にある。

APOは,訓練コース,シンポジウムの開催.専門家の派遣,視察団の受入等を行うことによりアジア地域の生産性向上に貢献しており,我が国は,APOに対する最大の拠出国として,84年度約6億1,000万円を拠出したほか,我が国で実施される事業費の一部として約2億6,000万円を支出した。

(3)東南アジア漁業開発センター(SEAFDEC:Southeast Asian Fisheries Development Centre)

SEAFDECは,東南アジア開発閣僚会議の決議に基づき,67年に地域の漁業開発を目的として設立された国際機関である。加盟国は,日本,タイ,フィリピン,シンガポール,マレイシアの5か国であり,漁携訓練,資源調査,水産加工,養殖研究等の活動を行っている。

我が国は,同センターに対し84年度総額約3億2,000万円の資金協力を行ったほか,84年度末現在17名の長期専門家を派遣中である。

(4)アジア工科大学院(AIT:Asian Institute of Technology)

AITは,アジア地域の工学分野の専門家(博士及び修士)の養成を目的とする大学院大学として,67年にバンコク郊外に設立された。構造工学,農業工学,交通工学等の9学科が設けられているAITには,現在,ほぼアジア全域から約600名の学生が就学している

我が国はAITに対し,84年度約2億3,000万円の資金協力を行ったほか,84年度末現在教授5名を派遣している。

(5)その他

その他,我が国は,コロンボ計画,マレイシアに事務局をもつ東南アジア運輸通信開発局・バングラデシュに所在する国際下痢性疾病研究センター等の国際機関に対しても,資金協力,専門家派遣等の形により協力を実施してきている。

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