第2節 技術協力
1.概況
技術協力は,開発途上国(または地域)の経済及び社会開発に必要な技術の移転を目的として,研修員受入れ,専門家派遣などを通じて技術移転を行う経済協力の一形態であり,人と人との接触を通じて諸国民間の相互理解と親善が深められるという特色を持つ。
政府ベースの技術協力は,国際協力事業団(JICA)を通じて主に実施されており・同事業団は主として外務省の交付金により,条約その他の国際約束に基づく事業などを実施している。
84年におけるDACベースでの我が国の技術協力関係支出額(国際機関・民間を含む)は,5億2,054万ドル(1,236億円)に上り,対前年比13.6%増となった。
我が国の技術協力実績をDACベースでの国際比較で見ると,84年の協力額ではDAC加盟17か国中第3位であるがODA実績に対する技術協力実績の割合では第14位であった。我が国としては,ODAの質的な改善を図るためにも,技術協力の質的充実に留意しつつ,今後とも量的拡充を重視していく必要がある