2.宇宙の開発と利用
(1)宇宙空間の平和利用は,今日,人類に不可欠のものとなっており,米ソをはじめとする各国は,宇宙開発を積極的に推進している。我が国も,通信・放送・気象観測等の実用衛星の分野,及び科学衛星の分野で活発な活動を行い,国際協力も積極的に推進している。
(2)米国との関係では,我が国は,欧州宇宙機関(ESA)及びカナダとともに,85年4月から2年間にわたり実施される米国の恒久的有人宇宙基地計画のための予備設計作業に参加するために検討を行っている。
欧州との関係では,11月に第10回目・ESA(欧州宇宙機関)行政官会議が東京で開催され,宇宙科学,地球観測,通信等の分野における協力につき意見交換が行われた。
オーストラリアとの間では,8月に打上げられた我が国の気象衛星「ひまわり3号」の運用に関する協力のため,交換公文を取り交すことにつき,話合いが行われている。
(3)第39回国連総会では,国連宇宙空間平和利用委員会第27会期(6月)の報告書を承認し,また,85年の宇宙空間平和利用委員会の審議項目を決定すること等を内容とする「宇宙空間の平和利用に関する国際協力」と題する決議(39/96)が採択された。
85年の宇宙空間平和利用委員会科学技術小委員会(2月)及び法律小委員会(3~4月)では,衛星による地球の遠隔探査,原子力衛星の安全性,宇宙空間の定義の問題等について審議が行われた。
(4)85年1月,国際電気通信衛星機構(インテルサット)の第9回臨時締約国総会がワシントンで開催され,別個の衛星システムとの調整問題等について審議が行われた。