2.我が国とアフリカ地域との関係

(1)アフリカ支援の動き

(イ)アフリカ諸国は,現在深刻な食糧危機に直面しており,アフリカ大陸全体で約1億5,000万人が飢餓ないし栄養失調の危険にさらされていると国連等では報告されている。我が国としても,アフリカの食糧危機は,人道主義的観点及び国際社会の平和と安定の維持の観点より看過できない問題として憂慮しており,アフリカ支援を活発化させてきている。

(ロ)まず84年5月のOECD閣僚理事会においては,我が国は他の先進国に先駆けて84年に1億ドルを上回る食糧関係援助の実施の決定を表明し,このアフリカの深刻な食糧危機に対し積極的な姿勢を示した。さらに11月には,安倍外務大臣がエティオピアの干魃被災地に自ら足を運ぶとともに,右アフリカ訪問中に84年度内に約5,000万ドルの対アフリカ食糧農業関係追加援助を実施する旨発表した。安倍外務大臣はまたアフリカ訪問からの帰国後「アフリカ支援緊急アピール」を発表し内外に対アフリカ支援の必要性を訴えた。他方,国連においても,安倍外務大臣は,国連全機構を総動員してのアフリカ支援を訴え,我が国の積極的立場を強調した。このため,我が国は,第39回総会の最優先議題であった,「アフリカの危機的経済情勢」を巡る討議においては,アフリカ諸国の一致した要望によりコーディネーターに指名され,同名の宣言の採択に重要な貢献を行った。

我が国国内においても,84年秋アフリカに対する理解の促進とアフリカ支援を目的として開催された「アフリカ月間」等を契機とし,アフリカへ毛布をおくる運動等アフリカ救援活動は目覚ましい盛り上がりを見せた。

(2)アフリカ諸国との人物交流

天皇陛下の御名代として皇太子・同妃両殿下が2月から3月にかけて,セネガルとザイールをそれぞれ公式訪問され,友好親善関係の促進に大きく貢献された。4月には,政府派遺経済使節団がアフリカ5か国を訪問し,日本とアフリカの経済関係の促進の方途を探った。6月には,北川外務政務次官がサハラ以南アフリカ諸国の中では,ジンバブエ,マラウィ,マダガスカル,中央アフリカ,ソマリアを公式訪問した。また11月には,安倍外務大臣がアフリカに赴き,ザンビア,エティオピア,エジプトを公式訪問し,各国の首脳と意見交換を行った。

アフリカ諸国からは3月チサノ=モザンビーク外務大臣が外務省賓客として,9月にはポンゴ=ガボン大統領が国賓としてそれぞれ来日した。

(3)アフリカ諸国に対する経済・技術協力

我が国のアフリカ向け二国間政府開発援助は,83年で2億6,190万ドル(支出純額ベース)であった。

<要人往来>

<貿易関係>

<鉱物の主な輸入品>

<民間投資>

<経済協力(政府開発援助)>

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