8. その他

(1) モンゴル

(イ) 内外情勢

(a) 内政・外交

ツェデンバル政権は,引き続き安定しているが,7月ジャランアージャブ党政治局員,書記兼人民大会議幹部会副議長が免職されるなど,人事の刷新が前年同様継続した。

ソ連との関係は,従来同様緊密である。4月以後ウランバートル在住華僑の部帰国問題が発生したにもかかわらず,中国との関係は実務面で引き続き若干の改善を見た。

(b) 経済

南西部7州,東部3州の寒気,大降雪等により牧畜が不振であった。

仔家畜育成805万2,000頭(前年比14.5%減)。農業は史上最高,穀物81万3,000万トン(過去最高55万トン)であった。農牧業総生産は前年比2.5%減であった。工業は前年比8.1%の伸びであった。

国民所得は前年比5.8%増(計画7.5%)であった。

(c) 我が国との関係

9月林(自),佐藤(社)両参議院議員がモンゴル議会の招待で公式訪問し,アルタンゲレル人民大会議議長ら要人と会談した。

83年には,カシミや工場関係技術研修生5名を受け入れた。また,ジャーナリスト2名を招待した。引き続き語学教師,留学生の交換が行われた。

<貿易関係>        (1983年,単位:百万ドル,()内は対前年比%)

(2) 香港

(イ) 内外事情

(a) 政情

82年9月,中英間で香港の将来についての協議が開始され,現在,1997年以降,中国の主権下でいかにして香港の繁栄と安定を維持するかにつき話合いが行われている。

このような状況下で香港市民にとって,中英交渉の成り行きが最大の関心事となっている。

(b) 経済

香港経済は,将来に対する不安感等により不動産,製造業部門は低迷しているが,香港ドルは,安定化措置実施等により下落傾向から落着きを取り戻し,輸出は米国などの景気回復を反映して大幅な伸びを示しており,景気は,輸出主導型で漸次回復が見られる。

中国との間では,貿易の大幅増大,中国の香港への投資の活発化等経済関係の緊密化が著しい。

(ロ) 我が国と香港との関係

在留邦人数は,短期滞在者を含めると約13,000名に達し,日系企業は約850社を数える。

香港の貿易に占める日本のシェアは,輸入は米国,中国に次いで第3位で,全輸入額の14%強となっており,我が国にとって香港は重要な輸出市場となっている。

香港の対日貿易インバランスは,依然縮小されておらず,香港側は,機会あるごとに香港製品の対日輸出拡大を要請している。

<貿易関係>      (1983年,単位:百万ドル,()内は対前年比増加率%)

<民間投資>                     (単位:百万ドル)

 目次へ