第5節　国際機関を通ずる協力

1.世銀グループを通ずる協力

(1)国際復興開発銀行(IBRD: International Bank for Reconstruction and Development)及び国際開発協会(IDA: International Development Association)

(イ)IBRD及びIDAは，開発途上加盟国の経済・社会開発に重要な役割を果たしており・82年度(81年7月～82年6月)のIBRD及びIDAの融資承認額は，農業・農村開発，電力案件等を中心として，それぞれ約103億3,000万ドル及び約26億8,600万ドルであった。

(ロ)6月末現在のIBRDの授権資本は，約716億5,000万SDRであり，我が国は，米国に次ぐ第2位の8.66%相当の約34億2,000万SDRを出資し，任命理事国となっている。同様に，IDAの出資・拠出総額は，約286億1,000万ドルであり，我が国は，米国に次ぐ第2位の11.82%相当の約23億8,000万ドルを出資・拠出している。なお，IBRD79年一般増資(400億ドル相当)については，我が国は，5%(20億ドル相当)の応募を行っており，6月に払込み(応募額の7.5%相当)を済ませている。

IDA第6次増資(120億ドル)については，米国に次ぐ第2位の17億5,000万ドル(約3,942億円)の応募を行っており，これまでに，うち約3,715億円を払い込んでいる。

(ハ)81年7月から，マクナマラ総裁の後任として，クローセン前バンク・オブ・アメリカ銀行頭取が総裁に就任し，民間資金の活用，援助の効率化，農村・農業開発，エネルギー開発及びサハラ以南アフリカ諸国への融資などに留意しつつ融資活動を行っているが，IDA第7次増資を控え，中国，インドなど大国の資金需要をも考慮した資金配分の問題，開発途上国の債務累積問題，融資財源確保の問題など，世銀は，現在困難な問題に直面している。

(2)国際金融公社(IFC: International Finance Corporation)

(イ)世銀の姉妹機関であるIFCは，開発途上加盟国における生産的民間企業の育成を図り，当該国の経済開発に寄与することを目的として設立され，56年7月業務を開始した。82年度の投融資承認件数は65件，承認額は約6億1,200万ドルであった。

(ロ)6月末現在の授権資本は，約6億5,000万ドル，払込済資本は，約4億9,700万ドルであり，我が国は，第4位の5.14%相当の約2,555万ドルを出資している。